episode.36 ページ39
･
｢あ、の、登坂さん、そろそろ｣
｢休憩いつまでですか｣
｢10分間だから、えっと｣
たどたどしいAさんのことを考えて若干離れてからスマホの時計を見る。
始まった時間を考えてあと5分。
｢水分とりました？｣
俺の質問に、まだ顔を赤くしながら首を横に振る。
さすがに水分を取らせないとよくない。
運動の後だし、あんなことのあとだし。
｢･･･｣
｢登坂さん？｣
行きたくねぇ離れたくねぇ。
このまま2人きりでいたいなぁなんて。
んなわけにも行かねぇんだけど。
って考えてれば疑問に思ったのか
首を傾げながら俺の反応を確かめるAさん。
｢Aさんなんで蕎麦行きたいって言ってたの｣
あ、敬語忘れた。
なんて思ったけど、張本人は何も考えず
ゆっくりじっくり、冷めていた頬をまた赤くさせた。
｢なんでそんなこと聞くんですか！｣
｢え、いや、怒ってます？｣
｢怒ってないです！｣
明らかに怒りというか、照れというか、八つ当たり
のようなものを見せる子供っぽいAさん。
何この反応。
なんなのさっきから。
｢蕎麦、連れてってください｣
｢･･･2人きりで？｣
俺の核心を突いた質問に
赤くなる顔とそれを下に下げるAさん。
少し経って
こくんっとさらにその顔を下に下ろした。
うわ、なにそれ嬉しい。
心の中でガッツポーズをして
口から笑い声が漏れる。
｢な、なんで笑っ･･･！｣
｢いや、ほんと、可愛いなって･･･｣
｢かわっ･･･！登坂さん意地悪です！｣
｢登坂さん意地悪くないです。
ほら、水分もとらないとだし戻りましょ｣
立てるか心配で手を出せば躊躇しながら
そっとそれの手の上に小さな手を置いて立ち上がるAさん。
｢自分からだ、だきしめたくせに･･･｣
こんな可愛い反応可愛すぎて笑う他ある？
こんな真っ赤な顔
俺以外見た事ないんじゃない？
･
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 598人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「登坂広臣」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
layla(プロフ) - かえでもちちさん» コメントありがとうございます!凄く嬉しいです！待っててください！笑 (2019年4月4日 23時) (
レス) id: 7604ca25db (このIDを非表示/違反報告)
かえでもちち(プロフ) - 夢主が上の立場というのは中々無いので面白いです！更新楽しみにしています！ (2019年4月4日 22時) (レス) id: f78011fcab (このIDを非表示/違反報告)
layla(プロフ) - るたち。さん» コメントありがとうございます!まだ少し遅くなりそうですが、調子が乗ってきたら、たくさん更新するので、待っててくださいね！ (2019年1月21日 23時) (レス) id: 25993da8da (このIDを非表示/違反報告)
るたち。(プロフ) - 更新愉しみにしていますね(´ｰ｀) (2019年1月21日 14時) (レス) id: a23aa7a3dc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：layla | 作成日時：2018年9月1日 12時
