episode.44・Hiroomi.Tosaka ページ46
まだ一緒にいたいって欲が全身に広がる。
目の前で静かに眠ってるのをいいことに
Aさんのマンションの駐車場に車を止めてこのひとときを静かに送る。
隣の席には好きな人がいて、その人が人前だけど眠ってる感じ。
うん、普通ではない。
ただ、こうしてたって何か出来るのかって言われれば何も出来なくて
明日も仕事なのに睡眠時間を削ってるだけってことになる。
Aさんにしても座って寝るなんてあんまないだろうしベッドで寝てほしい。
「Aさん、着いた。」
とっくのとうに着いてた。
なかなか起きないAさん。
俺の声に反応して少しだけ空いた唇に目がいく。
かけた理性が俺を震わせてる。
だって、目の前には無防備な好きな人。
寝息が聞こえるほど眠ってて長いまつげが少し揺れるだけ。
俺の声に反応して。
すぐ隣から香る女性らしい香り。
これは不可抗力。
そっと体を折り曲げてAさんの唇に触れた。
ほんの一瞬だけど。
やっちまった感もあるけど、やってよかったっていう気持ちもある。
ちょっとした優越感が広がるから。
これでも起きないAさんの体を揺らして声をかければやっと目を開いた。
すぐに覚醒したと思ったら謝り倒し。
俺の運転が心地よかったから寝てしまったってポロと零すAさんを許してから
オートロックのマンションに入ってくAさんの背中を見送った。
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作者名:Layla x他1人 | 作成日時:2017年9月3日 11時