episode.42・Hiroomi.Tosaka ページ44
「いつもより飲んだから。」
俺に謝りながらニコッと笑って前を向いて歩き直す。
少し前を歩き出したAさんの手を無意識に掴んだ。
ほんと無意識。
酔っただけだけど心配だし、華奢なこの体を前にすると守りたくなる。
“どうしました?”って、酒のせいだとは思いたくないけど、心做しか赤いAさんに咄嗟についた嘘は“また躓かないように。”
躓いたんじゃないんだってことを必死に俺に伝えようとしてるけど、
俺もそんなことは分かってて聞かなくてもいい。
ただこの手を握る口実が欲しかっただけ。
素直に俺に握られてる小さい手。
小さくて指が長い。しかも細い。
多分、女性が目指す手のランキングでもあれば1位取れそう。
ほんとにそれくらい綺麗。
俺の手の中にある手は少し冷たくて冷えたのか聞けば元から体温が低いことを教えてくれた。
「登坂さんは不思議ですね。」
唐突な発言に首をかしげて何の話か聞けば
言い寄ってこないことに驚いてるらしい。
大分言い寄ってる気もするけど。
仕事柄近付いてくる男性を押しのけることが出来ないからいつもは構えてるらしい。
でも、俺の場合はフリーでいられるから変な感じってこと。
繋がれた手をブラブラ振られながら車のキーを開けた。
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作者名:Layla x他1人 | 作成日時:2017年9月3日 11時