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episode.35・Hiroomi.Tosaka ページ37

「うわ、凄い。」


そうボソッと呟いたAさん。


この前よりも混んでて、わちゃわちゃしてる店内。


そういうの嫌かな?とか思ったけど、そんなこと気にしてない様子で“早く行きましょ!”って目を輝かせて言った。


興奮気味のAさんにつられて笑顔になりながら店員さんに個室まで連れてってもらった。


とりあえずメニューを開く。


そこでまた“わぁ”って嬉しそうに呟いたAさんにどうしたのか聞けば

“いつも英語だったりが多いから。手書きの部分とか見ると凄いなーって。”両手を合わせながら

夢中になってメニューを覗き込んでるんだけど


その中身もよくわからないらしくて、これは何かって聞いてくるからとりあえずいい感じのものと酒を注文。


最初に届いたビールで乾杯して1口飲んだんだけど、

この、俺のひとくちのあいだで軽く3分の1程度のみ終えてるAさん。


その後すぐまたビールを傾けて、パッと消えた中身。


もちろん驚くんだけど、Aさんが、飲み終わったビールのジョッキを眺めてるのが可愛くてどうでも良くなる。



「お代わり、頼もっか。」


「いいんですか!」



まぁ、ここで酒もうだめってなったら逆にねぇ。



「いつもこんなペース?」


「あ、すみません。普段は食事の時ビールとかのんじゃダメなので。

しかもこんなに一気に。家ではこんな感じですけど。いつもは飲めなくて。」



“だから今日は幸せです。ありがとうございます。”ってすげぇ笑顔で言われた。


その笑顔がまた、あの美形からはあんまり想像出来ない可愛い笑顔。


これって、俺に心開いてくれてるってことでOK?




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作者名:Layla x他1人 | 作成日時:2017年9月3日 11時

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