Tear [登坂広臣] (ページ31)

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episode.29・Hiroomi.Tosaka ページ31

そのあともAさんとか光輝さんの話で盛り上がってたけど

すぐに違う話題に逸れていった。

っていうか、もう酔ってるから半分以上おふざけ。

何に笑ってんのかも何を話してんのかも明日んなったら忘れてんだろうなって感じ。

一つだけ絶対に忘れないとすれば、直人さんが言った、ライバルのことだけだと思う。

あ、でもライブの話とかは？

まぁ、ここで覚えてる時点で大丈夫だと思う。

それからほんの少しの時間で解散。

健ちゃんﾍﾞﾛﾝﾍﾞﾛﾝだったし。

途中でタクシーをひろって家まで乗せてもらう。

その間に、Aさんに明後日───もう正確には明日だけど───迎えに行く時どうすればいいのか聞く。

返信は明日だろうと思ってたのに、意外とすぐに返事が来た。

“自分で行けますよ。”だってさ。行かせるわけねぇじゃん？

行きも帰りも一緒ってのも狙ってたんだから。

もちろん、男としての俺が腐るので無理です。なんて送った。

Aさんは、登坂さんは腐るわけないですよとかなんとかいいながら送って貰うことを承諾。

自宅の住所を送ってくれた。

“一人暮らし？”

さりげなく使ったタメ口も気づいてないのかスルー。

“そうです。”って返事だけ。

もう遅いし、おやすみって送れば、相手からもおやすみなさい。って言葉だけが飛んできた。

このまま敬語なくしていいってこと？