Believe [登坂広臣]

episode.18・Hiroomi.Tosaka ページ19

それからは、あっという間だった


いくら恋をしているからと言って、そっちに集中しすぎるわけには行かない


俺だって、一応芸能人ではあるんだから

ファンをガッカリさせるような歌は歌えない

だから、恋をしていても、俺は零星さんにだけ集中するのは許されることのないことで…


そこの調節が難しすぎて辛い


何とかこなして、今日のトレーニングは終わり

零星さんともお別れした後


なんともいえないガッカリ感

でも、そこには緊張が解けた感覚も混じってた



「………ﾊｧ……」

「ちょ、臣溜め息星人になっちゃってるよ？！」

「なんすか臣さん！恋煩いっすか！？」



あ、ここ楽屋か。と思った時には時すでに遅し



「なんすか臣さん！ガチのヤツすか！」



岩ちゃんが恋煩いなんて言うから皆目キラキラじゃん？！



「なになに？臣そんなに！！！俺応援するよ！！」

「そぅなんっすよ！もぅ、HIROさんにも嫉妬しちゃって大変だったんっすよ！」



……おい！！！！！


隣の椅子に座っている隆二の足のすねをｹﾞｼｯと蹴れば

なにかに気付いたみたいにﾊｯ!としてからすねを抑えて痛そうに笑ってる



「零星さん、真顔貫き通してますよね〜」



ELLYの言葉に皆で頷く

うん、もちろん俺も



「でも、臣はちゃんと心開いてくれるまで粘るそうですよ！」

「おまっ！！まった余計なことを！！」



あ、、、


否定すればよかった……。と思った時には時すでに遅し

ﾆﾔﾆﾔが止められていない周り



「ま、応援してるよ」



直人さんの言葉を理解するために一瞬固まって

恥ずかしくて俯いてた顔をあげれば

優しく微笑んでる周り


え、ちょ



「急にそんなにならないでくださいよ！」



さっきまで楽しんでたのに！



「まぁ、あれや。俺らからしたら、臣は頑張りすぎやねんから

ちゃんと恋愛なんてする暇なかったやろ？

確かにべっぴんさんやたけど、臣のこと見とったら負けた気しかせんねん

やから、譲ってやるっちゅうことや」



ﾄﾞﾔｯという効果音がつきそうな健二郎君の話を

聞きながら聞いてないふりしてお菓子を食べる俺ら



「っておい！！聞いておらへんのかい！！！」

「生ダンだー！」



綺麗なツッコミもスルーして

直人さんが叫んだ


……生ダン？…あ！HiGH＆LOWねww


小っ恥ずかしくて言わないけど

健二郎君の言葉はしっかり胸に届いてた


もし、ほかの人もそうなら


───────俺はほんとにいい仲間に恵まれた

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