episode.16・Hiroomi.Tosaka ページ16
「なんでピアノ始めようと思ったの?」
「ピアノ?は、成り行き。置いてあったピアノに感動してそのまま。
まぁ、それを本業にするとは思ってなかったけど。」
「ふーん。じゃあ、他にしたいこととかあったわけ?」
「んーん。無かったからピアノしてんの。ピアノだけで食べていけそうだったのに五十嵐さんに捕まったし。」
笑いながら言ってるし、嫌ではなかったらしい。
まぁ、そりゃそうか。
きっと持ち合わせているんであろう絶対音感や好きなんだろう音楽。
俺より年下に見えるけど、音楽業界の人間にプロだと褒め讃えられるだけの才能。
音楽とか関わりのない仕事だったら嫌なんだろうけど
自分の才能を最大限に使える仕事が増えるのは本望なのかもしれねぇし。
まぁ、ピアノを全て自分に弾かせてくれなんて言うくらいだし
嫌な仕事だけじゃないってのは確かか。
「ボイストレーナーの資格とかいつ取ったわけ?」
取れる時間なんてあったわけ?って、ちょっと押しの強めな質問をしていくと少し笑いながら“質問多いな”って。
表情コロコロ変わるな。
───────可愛いなんて思ってない。
「色々資格取ってた時に、面白そー!って。」
「え、軽。そんなもん?」
「多分、、私だからだよ。」
「はい、自慢。」
「自慢じゃないんだけどな〜」
「絶対自慢だし。」
2人して笑いが漏れる。
ダメだ。なんかちょっと持ってかれた。
最悪な性格の女に。
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作者名:Layla x他1人 | 作成日時:2018年4月5日 14時