Believe Ⅶ[登坂広臣] (ページ47)

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episode.325・Hiroomi.Tosaka ページ47

溶けるように優しい音色が名残惜しく終わった。

「これ、お兄ちゃんが私達2人に作ってくれた曲なんだって。」

そう言ってﾊﾟﾊﾟｯと俺の携帯に動画を送ってきた。

時計を見たら、もう少しでアラームが鳴る時間

ﾋﾟﾛﾝﾋﾟﾛﾝって鳴り出したのを素早く止めて零星と起き上がる。

緊張して心臓吐いちゃいそう。なんてさり気なく怖いこと言う零星に緊張するような相手じゃない。って言っとく。

そんなわけないじゃん！！！って叫んでるけど、そこはスルーして着替えに入る。

「俺もスーツじゃないとダメ？」

「ダメ。ねぇ、ベージュと、ベージュより濃いピンク。どつちがいい？」

「どっち来ても似合うんだからいいじゃん。」

それじゃ意味無いじゃんー！って笑ってる。

もういっそ半分に切っちまえば？んで繋げりゃいいじゃんなんていう冗談も浮かんだけど、

さすがに上手く通じるかわかんないから、いいと思ったベージュより少し濃いピンクの膝丈のドレス。

どっちも似合うけど小さな差でこっちの勝ち。

ベースの色に少し模様が入ってて、上からﾋﾗﾋﾗがかかってる。

……何これ。…こういうのって、よく見るけどわかんないわ。

ｼﾞｰｯとドレスを俺が見てることに気がついたのか“変？”って聞いてきた零星に

“そういうわけじゃない。”って答えたら、不思議そうに顔を歪めた。

「何？教えてくれないの？変なところあるなら直していきたいんだけどな。」

「いや、違うって。」