Believe Ⅶ[登坂広臣] (ページ46)

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episode.324・Hiroomi.Tosaka ページ46

「まぁ、たしかにプレッシャー感じたり

勝手に決められたりして腹はたったかもな。」

実際そう言ってたとは現状況では言わない方がいいと思って伏せた。

零星は俺の言葉に一瞬驚いたように顔を上げてから俯いて小さく頷いた。

まるで、“そんなの分かってる。”って言いたげ。

「でもさ、奏人はいいんだって。それで。」

俺の次の言葉はあまり予想していたものじゃなかったらしくて

次は違う驚きの表情を浮かべながら顔を上げた零星。

「そりゃ最初こそ腹立つだろうし、零星だって同じ立場だったら……な？」

ｺｸｯと頷く。

「でも奏人は、そんなことより、大事な妹が笑ってられんならそれでいいんだって。

今の仕事も充分楽しんでるみたいだし。塞ぎ込んだお前を、助け出す方法が

それしかなかったんじゃねぇの？もし、もっとひどい条件叩きつけられてても

奏人はお前のために頑張ってたと思うけど？」

聡さんに言われた言葉と、そこから考えた俺の気持ちを言葉に表したら

少し目を開いてる零星。

「お兄ちゃんが言ったの？」

「奏人がいってたってのを聡さんから聞いた。」

零星はかなり驚いてる感じ。

私、もう一生お兄ちゃんに嫌われるとか思ったこともあった。って一言まで。

「でも、怒ってくれないから。どうすればいいのか分からなくて謝りもできなかった。

でも、そんなんじゃなかったんだ。」

そう心の内を顕にしてくれた。