Believe Ⅶ[登坂広臣] (ページ42)

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episode.320・Hiroomi.Tosaka ページ42

今夜は流石に緊張してるだろうから手は出せず

っていうか、俺の腕ん中に入った途端寝たから手は出せないに決まってる。

起こしてでもやりたいけど、どうせやるんなら次の日に余裕がある時がいい。

零星に用事が何にもない時。

そしたら、零星は1日中ベッドにいても大丈夫だし。

この約１年半分溜まりに溜まった欲を全部吐き出すには一日じゃ足りなさそう。

……絶対足りない。

あの清楚なスタッフリーダーの蜂谷さんだって、

その前から俺に目を光らせてた女の人だって沢山いたの知ってる。

あんだけ行動に出されたら誰でもわかるよってくらいの人達が周りに沢山いたのに

あんだけグレた……とはまた違うけど、心にｽｯﾎﾟﾘ穴が空いた状態で

零星しか思えなくて、零星だけ考えて、

女の人に手を出さなかったってのは自分でも今更驚いてる。

不安も全部ぶちまけられる状況だったのに、

零星は帰ってくるっつー勝手な考えとか

今この女抱いたら零星悲しむだろうっていう零星がいた時の名残に身をゆだねて

それにすがってた。

情けなく思われるかも知んねぇけど、そんくらい零星に惚れ込んでたんだよなぁ俺。

この髪の毛1本から、足の指の爪の先まで全部俺のもん。

とか、零星に正面から言えればまたスッキリすんのかも知んねぇけど。

俺もまだまだ青いのかもな。

そんな自身へのツッコミに少し鼻で笑いながら、ここにある毎日の綺麗な顔にまた見とれて眠った。