Believe Ⅶ[登坂広臣] (ページ5)

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episode.283・Hiroomi.Tosaka ページ5

「それはもう終わったはずだから。」

「うん、たしかに。でも、僕は零星を愛しているからね。

諦めろなんて言われても無理だと思わない？

一度は婚約者になれた相手なのに、電話もできなくなるなんて。」

バカみたいじゃん。変わらずﾍﾗﾍﾗ笑ってるブラッドにさらに腹が立つ俺

「別に零星はお前に好意なんて向けてねぇだろ。」

「知ってるよ。だからこそ、無理にでも振り向かせたくなるんだよ？

……ねぇ、どうしてこいつなの？零星。どうして僕じゃなかったの？

金も地位もあるのに。僕じゃダメなの？」

前に会った時より遥かに零星への思いを募らせてるブラッド

凄く執着してるみたい

「なんでそんなに零星に執着すんだよ。」

「零星は、男が嫌いなんだ。……だから、俺が一番に好かれるんだ。

零星は僕に笑いかけてくれたし、零星は僕に日本語を教えてくれた。

僕は零星のものなんだ。だから、零星も俺のもの。……ね？理にかなってるだろう？」

人間嫌いだったこいつが、わざわざ信用してなかったやつに日本語なんか教えるか？

「私、日本語なんか……

……ブラッドは、自分で勉強したって…言ってたって、お兄ちゃんが。」

ﾎﾞｿﾎﾞｿｯとブラッドにも聞こえるか聞こえないかの声でそう言った