Believe Ⅶ[登坂広臣] (ページ14)

今日:6 hit、昨日:8 hit、合計:77,725 hit

episode.292・Hiroomi.Tosaka ページ14

結局。

それから木曜日までの二日間、朝は早いわ夜は遅いで零星との時間もあんまり取れず。

木曜日は、直人さんが午後からオフだったから着いてきてもらうことに。

零星には直人さんと出かけるとだけ言って。

実は、直人さんと会うのも火曜日ぶり。ここの仕事が続いたから。

玄関で手を振ってくれた零星を思い出す度ににやけが止まらない。

「まったﾆﾔﾆﾔして……。やだわ！臣ったら、俺以外の女の子と考えてたのね！」

「一人称と語尾がおかしいですよ直人さん。」

趣味のいい直人さんが隣にいるのはかなり心強い。

実際のところ、買うのは自分の彼女のものだから、最終的には俺が決めるんだけど。

お世話になったアクセサリーショップ。

久しぶりに入っても、変わらないこの雰囲気。

眩しいくらいの白と、眩しいくらいの輝く宝石。

白いけど、細かく細工が入った壁も、黒の入ったモダン風の天井も、ほかとは違った感覚になる店。

隣で直人さんも、“うわ、俺この店好みだわ。”と呟いた。

「あら？登坂さん？」

出てきたのは美里さん。お久しぶりですね。と笑いかけてくれた。

「その後、彼女さんとはどうですか？」

「順調です。今日は、婚約指輪を買いに来たんです。」

そう言ったら、目を開いて嬉しそうに微笑んでくれた美里さん。