私のものは私のものとか言ってみたい ページ41
side HIROOMI
さっきまで、ヘッドフォンで音楽聴いてたおかげで珍しく静かなAと静かな楽屋があった。
のに。
なんだこの有様は。
「くれるって言ったよ!!」
「言ってねぇよ返せ。」
「なぁーんーで!この前もそんなことあったじゃん!」
「あれも渋々譲ったじゃねぇか。それは返せ。」
「いーやー!自分のものだと思ってたのに違うなんて信じらんない!」
「信じろ。それが現実だから。」
「おかしいって!思い出してよ!あの日のことを!」
「いや誰だよ。いつだよ。」
喧嘩です。
兄妹喧嘩。
なんだこの楽しそうな兄妹喧嘩とか思ったらダメ。
顔の怖さ尋常じゃねぇって。
Aの忘れ物をわざわざ持ってきてくれた匠海───つまりAの兄───。
すぐ帰るつもりだっただろうに、Aのヘッドフォンを見て叫んだ。
もう楽屋中びっくり。
全員方跳ね上がらせて何事だって顔上げてたもんね。
そして、“それ俺のだろ?!”って言われたAが“もうAのだし!”ってね。
そこから喧嘩勃発。
最初から軽い言い合いではあった。
でもやっぱ騒がしいんだよね。
主にAが。
匠海は、Aより静かな性格で物分りが良い。
あれ、これ性格逆な方がいんじゃね?って本人に言ったことあるくらい。
だから、喧嘩も匠海は冷静に言い返すのにAったらうるさい。
…この光景に慣れつつある俺を褒めて。
実はこの喧嘩を見るの何十回目かもしれない。
一個前は、Aの家で、ゴキブリが出た時───というか大人と言える年になってからの喧嘩はほとんどこれ───
Aの虫嫌いは酷い。
てんとう虫も嫌い。
虫図鑑に乗ってるもので大丈夫はないと思う。それくらい。
でも、殺すのには抵抗があるらしくて
虫嫌いなくせに命は超大切にする。
だからゴキブリ出る度に匠海読んで怒られる。
だって俺らこういう仕事してんじゃん?
匠海大抵寝てんだもん。
「なんで?」
「それ限定版。スニーカー好きの健ちゃんならわかる。大事よそれ。」
「…わかった……。返すし。」
「……気に入ったわけ?それ。」
あ、俺このパターン知ってるよ。
「うん。かっこよかったし。」
「…じゃあもう上げる。言いすぎたごめん。大事に使えよ。」
「うん!やった!」
ダメだって匠海。デジャブだから。
A、結局毎回自分のものにしてる。
これは、俺らメンバーもよくあることになってるけど。
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Layla(プロフ) - 美紀さん» いぇいぇ、せっかく自分のお話を読んでくれている方ですから!ありがとうございます! (2018年6月7日 16時) (レス) id: 1030294c19 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 作者さんタメでいいよ美紀敬語とかいやだから (2018年6月7日 13時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
Layla(プロフ) - 美紀さん» 最高だなんて、そんなこと言ってもらえて光栄です!ありがとうございます! (2018年5月19日 14時) (レス) id: 1030294c19 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 三代目は臣君と岩ちゃんと今市君寄りのオールでGENEは涼太君と亜嵐君と玲於君寄りのオール担当ですこの小説最高です (2018年5月19日 9時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Layla | 作成日時:2018年5月17日 0時