可愛いお姫様

恋と愛 ページ3

side RYUJI



「ちょ、これやばいよね。」



泣けるまじでー。って言いながら泣いてるAは新曲である恋と愛をYouTube様で見てる。


普通に男性目線の三代目の曲は、相手役がAの場合が多いんだけど

今回はAの演技するカットはひとつもなくて、少し新鮮。


切ない曲なだけあって、感情移入の激しいAには刺激が強い曲。


かなり切ない曲で、キーも高い。


Aは余裕そうだったけど。



「この曲泣きながら歌ってるよね。」


「うん。これガチ涙。」


「そうなの？！」


「ん。切なすぎて死んだ。」


“あ！ここここここここ！”って、AのパートをAが自画自賛し始める。


でも、ここのフレーズは全員一致でやばくて

小竹正人さんの歌詞が好きなAの表情も仕草も涙ももろツボ。


やっべぇ！って鼻水かみながら携帯をしまうA。



「汚いってこっち来んなよA。」


「誰が行くかコノヤロー」



鼻水かんだティッシュ山ほど抱えて臣の近くにあるゴミ箱に向かうA。


結局ゴミ箱がそこにあるから近づかないわけには行かないんだけど。


2人がｷﾞｬ-ｷﾞｬ-言い合ってるのを聞く俺は多分微笑んでる。


MVでは、黒い少し大きめのジャケットに、下はグレーに近い色のシャツ。


短めのタイトスカートには薄く線が入ってから、あれもスーツみたいなデザインだった。


ハイソックスは少し肌がすけててガーターみたいで

片方は耳を隠して流れてる長い髪ともう片方はばってんにしたり色々して多分６，７本ピンがついてた。


朝起きたら湿気で天パだったって撮影日爆笑してたAはほんとはストレートでの撮影だったんだけど

服装とのギャップを感じて、まとめて綺麗なテンパっぽくしてたから可愛さはあるんだけど

あの白い肌に少し潤った赤い口紅、濃いアイライン。


いつもより少し暗くてつややかなメイクがAの色っぽさを目立たせてた。


それに加えて、サビの最後。

ヴォーカル1人、ほんの少し踊るAとメンバーのシンクロ感。


今目の前で言い合ってる2人に加えて健ちゃんとか直人さんも混じってるけど

ほんとにあのMV出てる人なの？ってくらいうるさい。



……俺もその1人なんだけど。



「臣何その団子。俺のは？」

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