可愛いお姫様

ジェンガとマムシドリンク ページ18

side RYUJI




「Ladies and gentlemen！って言いたいところだけどgentleman！」



出たよ騒がしいやつ。

涼しそうなノースリーブでお腹出して細身のジーパン履いてる。

白い肌と見とれるほど程よくできた女性の腹筋。

大きい目に比例しない小さい顔にそんな目をふちどるまつげ。

女でも惚れる横顔は鼻が高いから余計惹かれる。

そんな完璧なくせにうるさい。



「……何持ってきたのまた。」


「何って隆二さん。ジェンガですよ。私有言実行タイプなんで。

昔は兄に不言不実行ってバカにされたけど。」


「それ多分現在進行形。匠海元気？」


「たくみって……。ジェンガよりお兄ちゃんですか？」



いやぁ、妹が妹なら兄も兄で超美形。


ほんと、なんかオーディション受けなって誘いたくなるくらい。


まぁ、匠海も凄くて、今やニュースでよく見るイケメン社長。

似てるのは顔だけで性格は匠海の方がよっぽど静か。

昔からAのお守役してたらしいから扱いは誰よりも上手い。



「んなことよりジェンガしましょー。みんなぁ、ジェンガ持ってきてあげたんですよー。」


「うん、持ってくるって言ってから、いつ持ってくるんだろうって内心ハラハラしてた。」



直人さんの言葉に、“えへへ。今日です。”って笑ってるA。


いや、持ってきて欲しくなかったって意味なんだけどね。


まぁ結局？みんな好きだから。Aのこと。


何故か机囲んでジェンガ。


臣もELLYも1枚撮ってインスタにあげてる。



「私絶対倒さないんで！罰ゲーム何にします？」



っていうAの動画も。


罰ゲームは、一日パシリに決定。

誰も負けたくないこの勝負。



フラグの通り俺らの姫は負け。


めっちゃいいところまで来てたけどね、残念A。


もちろん倒れた時とAの、“ググァァァァ！”って絶叫の動画も撮ってる臣。


屈辱を味わったAは、もう1戦って言ってるけどパシリ決まったし。



「じゃ、俺水で。」



笑顔でそう言えば、ほかのメンバーも便乗してほしい飲み物をAに頼む。

Aも、唸りながらﾄﾎﾞﾄﾎﾞ楽屋を出てった。


少し……いや、大分経ってから買ってきました開けてくださーいって来たA。


遅いと文句を言いながら開ければ両手に抱えられたマムシドリンク。

“うぉぉい！”ってツッコミを笑顔で受け止めて、



「買うの恥ずかしかったです。」



って。だろうな。おい。


今日もうちの子は可笑しくてバカで可愛いです。

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