可愛いお姫様

うちの姫の天然説 ページ2

side TAKANORI



「タンタンッタタンタンッ」



同じような効果音をつけながら1人でステップを鳴らしてるのはA。


俺にはたくさん尊敬する人がいて、その中にAも入ってる。

……Aの方が年下だけど。


昔はダンスばっかりしてたらしいA。


何を思ったのかHIROさんの紹介でダンスのオーディションだけするはずが

その年密かに行われていたGIRLSのVBAに紛れ込んでたらしいA。


もちろん、何も持ってない状態のAが会場に入れたわけじゃないんだけど

行く宛もなくそこの会場の前で歌ってたらお偉いさんに捕まったらしい。


ってか、GIRLSのVBAの日とダンスのオーディションの日間違えるは会場間違えるは

ボーカルのオーディションだったなんて知らずにオーディション行われてる会場の真ん前で歌うわ。



これって多分ドのつく天然って言えるレベルだと思う。



お偉いさんに捕まったAはそのまま何も知らず会場へ。


HIROさんに後から気付いてもらえて抜けられたらしいけど、歌の実力も認められてボーカルへ。

だからってダンス命だったAがボーカルだけでやっていくなんて言うわけもなく───頑固だから───

パフォーマーとボーカルしてるんだけど。


これのどこに尊敬する部分があるのかって聞かれたらあれだけど

男の自分に追いついてくるんじゃないかってほどのダンスの技術に

人の心を揺れ動かす歌唱力を持ってるAを尊敬するなって言われる方が無理。


多分、これは俺だけじゃないんだけどね。



「やだー。また間違えたー！おがんさーん。教えて。」



いろんな呼ばれ方がある中、あんまり日常で使われないおがんさん。


俺だけじゃなくほかのメンバーのこともいろんな呼び方で呼んで───さんは付けたがるんだけど───

楽しんでる。


教えたらすぐ飲み込むし。

なんかだいたい笑ってるし。


純粋な可愛さだし、無駄にあざとくないし


考えて掘り下げれば掘り下げるほど

Aの尊敬出来る点って結構出てくる。


まぁ、尊敬とかの前に

まず最初にAを見て出てくる文字は可愛いなんだけど。



「おがんさん一緒に踊ろーーよー」


「分かった分かった。」



ちょっと甘やかすくらいが自分を追い込むのが得意なAにはちょうどいいと思う。

恋と愛→←うちのお姫さん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す