【歌い手】雨、咲かせ。【まふまふ】

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設定に、歌い手さん方の本名追加しました。
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URTNK side



彼奴に、泣いてる俺が、優が
目を見開いて直立するそらるさんが

見えてるのかはわからない。
走ってきた音が、紡いでる泣き声が聞こえてるのかすらわからない。


「_____...♪___ｯ、」


真冬が描いてた色が一旦途切れて、彼方さんの魔法が解けたみたいで。
苦しそうに「ひゅう、」と息を吸った彼奴を見て、彼方さんは傘も荷物も放って走った

たった３０mくらいの距離を、捥がく様に走ってた。


「ｯええ、ぐっ、ｯふぁ ... 。」
「優、もう大丈夫だから」

優 ...、坂田は更に涙を零したから
俺は傘を閉じて放って、抱き締めた。

ステージ前、緊張する此奴をあやすみたいに背中を撫ぜた
優しく、撫ぜた。


坂田越しに見えるそらるさんは、まふをきつくきつく抱き締めていた。
まふは、驚いた様に跳ねて少し抵抗して、それでも諭されて落ち着いて



... その光景まで、異様に美しくて。

大丈夫だよね、まふにはそらるさんかいるから。



「まふくんが、まふがぁｯ、」
「...うん。」
「知らない、ひとｯ、みたいで...ﾋｸﾞｯ、」
「...うん。」
「こわかったよぉ...、ｯ」

「うん、おれも、」


坂田の言うことは、全部俺が思ってたことだった
苦しくなって、坂田の事を力強く抱き締めた。

その拍子に坂田が握ってた傘が地面に落ちて、雨が俺らを濡らして、


「結局、俺らもずぶ濡れだな。」
「ん、ね...。」

俺は、弱々しく笑った坂田の背をもう一度撫でた。






... 視界の端に、チラついた ” 白 ” は、何かの見間違いだったのだろう。

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