【歌い手】雨、咲かせ。【まふまふ】

１７ ページ19

MFMF side




「ええ、と。」

鏡の前で身だしなみをチェックして、一枚写真を撮る。


そしてTwitterで適当に画像をあげた。

「これからそらるさんと探検に行ってきます、と。」


呟いてから 急いで携帯をポケットにしまってそらるさんの元へ行く。
... 時刻は朝の１０時。



「そらるさん、準備終わりました？」
「準備は終わったけど、お前の家本当何もない。腹減ったぁ...、」

「もー！！コンビニいくでしょ！？冷蔵庫見てないで早くしてくださぁい...。」


腹減り顏のそらるさんを引っ張って玄関まで。

文句を垂れていた顔も少しは引き締まったと思う。




ふたりして靴を引っ掛けて家を出た
鍵を閉めて、外の空気を吸い込む。

嗚呼、東京の街はこんなにも汚い、



「で？どんな人だったの。」

「ええと、昨日話した通りなんですけど、取り敢えず白いか透明なんです。肌もオーラも声も何もかもが。」
「…ふうん？」

「この薄汚れた世界から唯一切り取られたような存在なんです、」

ぼそ、と吐き捨てて歩く足を速めた。



「まぁよくわかんないけど、まふがここまで必死に探してるんだから綺麗な人なんだろ？...何かが変わる気がしたんでしょ？」


僕とは反対に立ち止まったそらるさんが訊いてきたその問いの答えは、きっとNO
何かが違う。

” 感覚が、合わなければいけない と言っているのだ ”




「ふふ、どーですかね！行きましょ、そらるさん！」

「おう。」







ひらりひらり、死角で白が揺れる。

お久しぶりです→←１６

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す