【歌い手】雨、咲かせ。【まふまふ】

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MFMF side




驚いた、驚いた、凄く吃驚した。
まるで僕が乗っ取られたみたいで


...否、” 僕 ” は息をしていなかった。



深く深く沈んでいる筈なのに、感じるのはふわりとした浮遊感、
口を開けたら水みたいなナニカが気管に入り込んできて、息が止まった


踠いて踠いて、其れでも何かが見える事は無かった。
真っ暗な水底に居るような感覚





僕の知らない誰か、

... そうだな ” ボク ” が体を乗っ取ってたんだな。


ボクは、怒ってたんだ
こんな理不尽な世界に、此れを肯定しようとしない神に
そして、真っ白な彼女に

飛び火なのは解ってる、けど。

あの白を、僕の黒で染めてしまいたくなった



あの子の真っ白なワンピースとコート、肌
真っ黒な髪と瞳
其れが目に焼き付いて離れない。

だって、まるで僕とは正反対


真っ黒な服にコート、真っ白な髪と
茶色の瞳を隠すように入れた赤のカラーコンタクト

ボクは僕の素を隠そうと、幾つもの色を重ねた。
混じって交じって、汚くなった



ああ、彼女を僕の色で染めたい。





愛して、愛して、縛りたい、







「まふまふ、」

「あ、はい？」
「飯、何食う？」

「あー、んー、鍋なんてどーですか！」
「ああ、いいねえ！」


あれ、もうお家着くのか。

さかたんも、うらたさんも笑ってる




うん、僕で大丈夫

僕は、僕だ



あいかわまふゆ、まふまふ、うたいて、あふたーざれいん、そらるさん、うた、ボク

... 違うんだよ、



僕は、1人だけ。

みんなに必要とされてるのは、僕


「まふまふ！鍵！」
「うぇぁ、あー！ごめんなさい！」







渡さないよ、僕は。



明日、白を探しに行こう

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