Six ページ8
ガシャン
床にコップが落ちて、ガラスの欠片が散乱する。
( いたい )
( いたくない )
( いたい )
( いた、い...? )
「チッ、アンタは本当にトロいわね、」
「ご、ごめん、な、さ、ッ」
殴られる。蹴られる。
何度も何度も、
私が床に倒れても、何度も。
挙句、母の手には包丁。
あ、私このまま死ぬのかも
____ 油断した私が馬鹿だった、
「A!?、お母さんやめてください!!」
「り、りぶくん…。でも、」
「A、逃げてッ。どこでも良いから、」
私は、心の中でりぶに何度も謝りながら携帯を持って家を飛び出した。
走って走って走った。
もう、ここがどこかわからない。
何処、ここ。
傷が痛い。
誰か、誰か、誰か。
誰かなんているわけないのに、
りぶは、私のために、
父は、、ッ
嗚呼、やっぱり私は独りだ 、独り
いいの。
良いのそれで。慣れてるの。
大丈夫、 ” 大丈夫 ”
そろそろ走るのが苦しいから、そこら辺の公園に入る。
その小さな公園は、昔私が”誰か”ときていた公園に似ていた。
その誰かは、誰だったかな。
( ズキン )
やっぱり痛い。
頭も、体も、心も。
全部全部痛い。
「誰か、たすけて」
私がそう呟いた声は、星が瞬く夜空に溶けた。
筈だったんだけど。
「あれ、はな?」
「...そ、そらる ッ」
…消えかけたその声を拾ったのは、王子様な彼だった。
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