Three ページ5
「もういいわよ、」
「いや」
「いいってば」
「危ないからだーめ。」
さっきからこの会話のエンドレスループ。
もう送らなくていいっていう私と、家まで送るっていう空井彼方。
「も、う、い、い!!!!」
「まだ夏の終わりとはいえ、5時半だよ?危ない人いるからね?
それとも、そんなに襲われたいの?
___変な趣味、」
タチ悪いったらないわ。
「ねえねえ、はな。」
「…、はなってなに!?」
「ほら、立花だから、”はな”。どう?」
「ど、どうって言われても、」
幼い頃りぶに呼ばれてたのと、あと
あと_____、
( ズキン )
頭が、鈍く痛んだ。
もう考えるのは止そう。
「...じゃあ、そらる。」
「え、そらるって俺?」
「そーよ。」
「え、ッ、何それ、」
其処で言葉を区切った彼は、立ち止まったようで。
聞こえる足音が一つ減った。
不思議に思って後ろを振り返ると、
「なにそれ、嬉しい、」
___ 片手で口元を抑える彼。
目線は斜め下を見てて、耳は真っ赤になってる。
「っふ、そらるにも可愛いところあるじゃない。」
思わず笑みを零すと、
そらるも恥ずかしそうに苦笑いしたのだった。
「ほら、早く帰りましょ」
なんだかんだ、もう答え決まっちゃったな。
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