【歌い手】また、そうやって。【そらる】 (ページ30)

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Twenty Eght ページ30

「あー、」

「い、いいいい、私はいい！んぐ」

「はい隙有り～。」

俗に言う”あーん ”をされた。

オムライスをゆっくり咀嚼する。

…

「なんで静かになってるのよ！」

「あっ、えっ、いやぁ、ねえ？」

「なかいいなぁって？」

りぶとらいるが目を合わせて話す。

「え、そらるさんとA先輩付き合ってるんですか？」

まふくんがきょとんとしてこっちを見た。

首をかくっと傾ける動作がまたあざとい。

「付き合ってないよ、俺ら。」

「うん。付き合ってないわよ。」

「それにしては、なかいいですよね？？」

「それ、俺のせいだから。まふは引っ込んだ。」

りぶがまふの口にパンを詰め込む。

むぐむぐと文句を言っている。

らいるは少し居心地が悪そうだった。

「ごちそうさま。」

「食べるのはや、」

「お前が遅いの。」

「は？」

「あ、これ家のスペアキー。」

「あーありがと。」

この会話に目を見開いたのはらいる。

「え、はなちゃん、そらると住むの？」

はなちゃん、はなちゃん。

らいるからそう呼ばれるのは何年ぶりだろう。

嬉しいような、懐かしいようなそんな気持ち。

「うん、そらると住むよ。」

私がそう言うと、らいるは花が咲くように微笑んで、

「そっかぁ、」

って、笑った。

りぶが唇を噛んでたのには、気づかなかった。