Twenty Two ページ24
らいる side
「ただいま。」
「お帰り、亮。」
僕が ”ただいま ”って言えば、
母さんや父さんは ”おかえり ”って返してくれる。
それが、当たり前のコトだった。
だから。小さいときAに会った時には凄く驚いた、
し、怖かった。可哀想だった。
世の中は、こんなに残酷なんだって教えられた。
「どうだったの、久しぶりのAちゃん。
あんた、私達に挨拶もなしに、帰って来た瞬間飛び出しちゃうんだから。」
「、うん。」
「きいてる?」
「うん、りぶのとこいってくる。」
…だから。
だから僕が救ってやろう。この子を助けてやろう。
そう思った。
そんな時に、引っ越してきたのがりぶだった。
学校では僕らといるからか、Aがいじめられる事も少なくはなかった。
僕らは「自分で撒いた種だ」、って罪滅ぼしみたいにAのことを護ってきた。
そんな、ある日の事だった。
僕が病気で倒れたのは。
そっからは入退院の繰り返し。
ようやく完治したと思ったら、ッ
( ぴーんぽーん )
「はーい、どちらさまですか?」
インターフォンから流れるりぶの声。
座り込む僕はカメラに映らないのだろう、少し怪訝な声色。
「りぶ、りぶ、」
「ぇ、ぁ、ら、らいる?」
「ん、」
「い、今でるから!!」
そして、特に間も無くドアが勢いよく開く。
「らいる、ッ!?」
「りぶ、」
僕は出てきたりぶに縋るように抱きついた。
「A、A...。そらるにとられちゃったぁ、ッ。」
りぶは、何も言わずに僕を撫でた。
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