【歌い手】SouだけにSou快。

爽快に番外編 ページ9

Eve side


５月２４日。
この日は僕の大切な日。

すなわち”誕生日”である。


ただ、今日はみんなおかしい。

誰もTwitterに浮上してない。


誕生日ツイートをしても、反応してくれるのはリスナーさんだけ。


みんな忙しいしな...なんて自己完結したけど。

「やっぱり寂しいですなぁ〜、」


誰もいない部屋でそんなこと呟いても自分の声が少し響くだけで。


「お散歩でもしますかねぇ。」


少し身支度を整えて、すぐに家を出た。



みんなのことなんて忘れちゃえ！今日くらいいいでしょ！

なんて考えながら歩く。


予報を見たけど今日はやっぱり暑くて。

照りつける太陽を恨めしげに睨んだ。


…もちろん何も変わらなかったけど。



「はぁ。」
と、ため息をついてバイカラーニットの首元をあおいだ。

煩くなる踏み切りを横目に再び歩き出した。


「「いぶそ！！」」

歩き出したと同時に聞こえた２つの声。
声のした方へ振り向くと、そこに居たのは透花とSouくん。


「いぶそいぶそ！おたおめ〜！！」
「おめおめ！」

2人が祝ってくれて。
一言だけど、それが嬉しくて、涙が出そうになった。


勿論、年下の2人に涙なんて見せられないから、バレないように目元を拭った。


「おめあり〜。どうしたの？」


「あ！そうそう！いぶそ！！これから私の家に遊びに来ない？ひま？」


…今日は誰もいないからひまです。
なんてネガティヴな考えはしまい込んで、目の前の楽しい事に胸を躍らせた。

「いく！！」


すると2人は不敵に笑って、僕の手を引っ張って走り出した。


凄いスピードで町を駆け抜ける。

周りの風景もクルクルと移り変わって。


着いたのは真っ白なおうちの前。



透花の家のようで、透花は躊躇いなくドアを開けた。


「「おじゃまします。」」

「いらっしゃいまし〜！」


そう言って歩いていく透花についていく。

Souくんも一緒に。


透花が老化の一番奥の扉を開けた。

瞬間。


パンパンッ！！パンッ！


って音がして、僕の頭にリボンがたくさん降りかかった。


『いぶくん！！お誕生日おめでとう！！！』


呆然と顔をあげると、みんながいて。

天月くん、らいるくん、めありーさん、くろくもさん、なつしろ、ゆりん先生…他にも沢山。


みんなが微笑みかけてくれるのを見て、せきを切った様に涙が溢れた。


「う、っ、み”ん”な、ありがとう〜、！！」



今日は最高の誕生日。




_______Eve HappyBirthday

ちょっといろいろ試してみる。→←爽快に６

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す