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虎杖side
「「そういうことじゃねーよ!!」」
自分でもこういうところは成長してないと思う。でも、呪術師最強の先生もこんな感じだからいっかって思ってる。
”五条様は私の前だといつも機嫌が悪いんです。”
夜校門近くのベンチによる一人でいる鞍馬さんを見かけて話しかけたらそう言ってた。
”それは知ってるけど、なんで先生は鞍馬さんに対していっつもキレてんの?”
”なんでですかね?・・・多分、あの人が優しいからでしょうか。”
”え、ちょっと意味が分かんない。”
”ふふ。いいんです。私だけが知ってたらそれで。”
幸せそうに笑う顔を見て馬鹿な俺でも察しはついた。でも今は秋の暮れ、もうほとんど冬。
”寒くないの?”
”急に話が飛びますね。”
そういってまた笑う。
”この寒さには慣れてるので大丈夫ですよ。”
”女の人が体冷やすことに慣れちゃダメでしょ。”
自分の着ていた学ランを肩にかけてあげると目を丸くして泣き出した。
”え、泣かないでよ!!”
”申し訳ありません。あ、是では虎杖君が寒いのでは?大切な学生に・・”
”いーから着てて!んで、なんで泣くの?”
”昔一度だけ五条様が暖かいココアをおごってくれたこと思い出して・・・”
曰く、学生時代に氷点下近い気温の中で制服だけで先生の帰りをここで待っていたら「何やってんだよ」と怒られて先生のコートを肩にかけられそこの自販機でココアをおごってくれたそうだ。
”うれしかったんです。誰かに何かをいただいたことも、心配されたことも、失敗以外で怒られることもなかったので。”
”ココアすきなの?”
”あの時はあまり好きではありませんでした。”
”今は?”
”大好きです。ココアも甘いものも。あまり食べる機会はありませんけどね。”
”じゃあさ、今度先生も呼んでみんなで食べようよ!お腹いっぱい!!”
”ふふ。ええ、誘ってくださいね。”
そのまま話し続けると先生の昔話ばっかりで、あまりにも幸せそうな顔をするもんだから初めて先生に対してイラついた。
この人を残して、俺たちの授業さぼってどこで何してんの?先生。
夜が明けて教室にだけ顔を出した先生の顔を見てその怒りも消えた。先生が泣きそうな顔しながら切れてたのが分かったから。この人がこうやってキレることがあるのはあの人のことだけなのはここ数年で知ったことだから。
全ての人が正しく死ねる世界を作りたい。でも死ぬ前に正しく幸せであって欲しいって思うんだ。これが俺の願い。

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設定タグ:五条悟   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:林檎 | 作成日時:2020年12月4日 2時

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