緑と桃と黄 (ページ5)

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式の間も、

ずっとたくちゃんの言葉がぐるぐる。

別に忘れられてたっていいのに。

やけに、悔しい自分がいて。

なんで忘れちゃうかな～、幼なじみのこと。

馬鹿な私でさえ、覚えてたのに。

式が終わり、教室に荷物を取りに行こうと

ぼー、っと歩いてたら

ドンッ

「いたっ、、ごめんなさっい
ってたくちゃんっ！」

ぶつかった振動で転けた私は

ぶつかった人を見上げるとたくちゃんで。

拓『なんだ、お前かよ』

転けてる私には目もくれず

そのまま歩いて行こうとする。

はぁ？

ちょっと待ってちょっと待って。

普通さ、女の子とぶつかったら謝らない！？

いや、女の子とか関係なくさ！

しかも、こっちは転けてるんだよ！？

手くらい、差し伸べない！？

私は忘れられてた怒りと言い、

ぶつかった怒りと言い、

ずんずんと拓弥に近づいて

「あんた！ぶつかったら普通謝るでしょ？
それに転けてるのに手も差し伸べないなんて！」

私は拓弥に向かって思いっきり文句を言った。

周りの目なんか気にせず…。

拓『は？』

「は？じゃないわよ！
ぶつかったら謝るのが普通でしょって言ってんの！」

拓『めんどくせ』

「めんどくさい！？」

拓『めんどくさい。
大きな声でこんな所で騒がれんのも。
ぶつかったくらいでこんな怒ってくんのも。』

そんなのまるで私が間違ってるみたいで。

「あんたが悪いんでしょ！？
ぶつかったのに謝りもなしなんて」

拓『お前に謝るとかありえねぇから
つきまとうな、うぜぇ』

怒りで掴んでいた手を、

すごい睨みで離すと歩いていってしまった。

なにあれ！！

めっちゃむかつくんですけど！！

たくちゃん、

なんて可愛い時期は！？

とにかく、私はあいつを許さない！

幼なじみ？

そんなの知らないわよ。

絶対、思い出させてやるんだから。

５年ぶりにあった君は

私の知らない君でした。