14 ページ14
武田先生のお誘い通り、とはいってもこっそり来たけど。
練習試合にお邪魔した。
対戦相手も烏野もすでにコートに入っていて、もうすぐに試合が始まりそうだった。
あんまり目立つように観戦したくないから、二階から入ってからギャラリーのスペースに入った。
「あ、始まった」
ホイッスルが鳴って試合が始まる。
***
「これは確かに、ワクワクする……」
あんな無茶苦茶な速攻初めて見た。
急に飛び出したかと思えば、そこに瞬く間にトスが行く。
気が付けばボールが相手コートに落ちていた。
あのちびっこ10番正直レシーブもディグも下手くそだし、私よりも身長なさそうだけどとんでもなく運動神経が良い。
中学のとき見たことないけど、とんでもない選手だ。
それにあの10番に合わせてトスを上げてる9番もとんでもない。
北一の子か?女子の間でも有名だったな。
「見に来てくれてたんですね」
「あ、どうも」
「どうです?うちのチーム。ワクワクするでしょう」
私に気づいて武田先生がこちらにやって来てくれた。
「悔しいくらいにワクワクします、烏野を見てると」
これは久しぶりに直接バレーを見たからじゃない。
このチームなら面白いバレーが見られると感じたからだ。
あのおかしな速攻だけじゃない。
主将とリベロの守備が上手い。
あれだけしっかりした守備の土台があれば、攻撃陣だって安心だ。
アタッカー陣だってあのパワー型二人がバックアタックをしっかりできてるんだから、高速のパイプだってできなくはない。
のっぽの眼鏡もバレーIQ高そうだし。
まあ多少気になるとことはあるけど。
「このチームなら色んなことができそうですね。クロスも余裕でこなしそうだし、ミドルも攻撃の手数増やせばクイックの種類も増やせますね」
「上条さん?」
「正直言って、私も一緒にプレーしたいって思いました」
もうボールも触りたくないし、一生コートにも立ちたくないと思った。
スパイクを決める快感も、ずっと練習してきた連携が決まる嬉しさも。
全部知っていても諦めたバレーを、私は今また好きになりそうになってる。
いいや、バレーを嫌いになった振りをしていたことを認めてまた向き合おうとしてるんだ。
もしかしたら、本当は久しぶりに見た試合でおかしなものを見たせいで知的好奇心を刺激されているだけかもしれない。
このチームを勝たせたいとか、そんなの考えてないかも。
「私のためでもいいですか?学生コーチをやるの」
416人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆいまる(プロフ) - 公開されてる〜!!更新がんばってください!! (2022年6月4日 15時) (レス) id: f75ef48bcd (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 楽しみに待ってます!! (2022年5月6日 16時) (レス) id: 8de83214dc (このIDを非表示/違反報告)
響輝@お気に入り130人突破ベリサンキュ(プロフ) - 修正後のアップ、楽しみにしてます! (2022年4月10日 9時) (レス) @page1 id: d6b5ec7764 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 続きすっごく気になります。更新頑張ってください。 (2018年4月9日 16時) (レス) id: 95a693fe0b (このIDを非表示/違反報告)
咲理(プロフ) - フランさん» ありがとうございます!久しぶりに開いてみたら大変なことになってました。これからも応援よろしくお願いします。 (2017年5月5日 14時) (レス) id: 581ef08464 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:咲理 | 作成日時:2016年3月24日 17時