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「一度お目にかかりたいと思っていましたよ。クーデリア・藍那・バーンスタイン」
玲亜は上着の内ポケットに隠していた銃に手をかけた。
ギャラルホルンの者では無さそうだが、敵か味方かは分からない。
「君はここで死ぬべき人ではない。すぐにたった方がいい。ここは時期に労働者達の武装蜂起で荒れるだろう」
「あなた一体……」
「その為の武器を届けさせたのは誰だと思う。貴方の支援者であるノブリス・ゴルドンだ。この意味が分からない程、子供ではあるまい」
急に現れて何を言うのかと思えば唐突な暴露話だった。
たった今ここで考えたでっち上げのような話には聞こえないし、ノブリスも信頼できる人物ではないことから考えたこの男の話は本当だろうと玲亜は結論付けた。
「あれは貴方を利用する為に自らの手のものを傍に潜り込ませているような男だよ」
「何が言いたいのですか?」
「微塵も疑ったことはないか?」
仮面の男の視線は間違いなくフミタンを指していた。
「フミタンは本当の姉の様に今日まで過ごしてきました。今の言葉は取り消して下さい」
普段から信頼を置いている彼女を侮辱するような言葉にクーデリアも声を強くして抵抗した。
「だが、彼女の方はどうかな?」
「え?」
「その男の言うことは」
「言わないで!」
「玲亜?」
自分でも理由はわからなかった。直感的だったのだ。
でも何故か玲亜はフミタンの次の言葉を聞きたくないような気がした。
「さようならお嬢様」
しかしフミタンは肯定と取れる言葉を放った。
そしてその冷たい言葉を残してフミタンはどこかへと去っていった。
「待ってフミタン!」
「革命の乙女たるその身柄を大切にしたまえ。君は人々の希望になれる」
クーデリアはフミタンの後を追う様にフミタンの影を追っていった。
「あなた何者?」
玲亜は隠していた銃を仮面の男に突きつけると、引き金に手を掛けた。
「いいのかね。彼女を追わなくて」
「……」
「君はあのまま彼女が死んでいくのを指を咥えたまま見ているつもりだったのかね」
「あなたどこで私たちの情報を?言わないならそれ相応のことをさせてもらう」
「君にそんな時間があるのかな?」
この仮面の男の何でも見透かしているようなこの目に玲亜の直感はすぐにクーデリアを追うべきだと言った。
クーデリアをこのまま行かせることはできないのも確かだと判断した玲亜は仮面の男を置いて、ホテルを後にした。
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咲理 - カオリさん» コメントありがとうございます!作者の咲理です。今、更新に使っていたパソコンが壊れてしまい、更新できませんが必ず復活しますので応援よろしくお願いします! (2017年3月20日 14時) (レス) id: 4ad5d78520 (このIDを非表示/違反報告)
カオリ - オルフェンズが大好きな高校一年生です。次の作品がよみたいです。 (2017年3月7日 13時) (レス) id: 6756fb5e0f (このIDを非表示/違反報告)
咲理(プロフ) - 紫恩さん» (人''▽`)ありがとう☆更新も頑張る! (2016年5月20日 18時) (レス) id: 91c3914dfa (このIDを非表示/違反報告)
紫恩 - お互い頑張ろうね! (2016年5月18日 21時) (レス) id: aaa53fac67 (このIDを非表示/違反報告)
咲理(プロフ) - 紫恩さん» もうすぐテスト範囲発表だから頑張らないと…Σ(゚д゚lll)ガーン (2016年5月16日 17時) (レス) id: 91c3914dfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:咲理 | 作成日時:2016年3月24日 14時