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「え、テスト、ですか?
受けなきゃダメですか。
あの学校は3期制ですので、最低でも1年に6回は行かなきゃなりませんよ。」
「落ち着け、落ち着け。
そうあからさまに不機嫌になるな。
しょうがねぇだろ、向こうの校長と松平のとっつぁんでそういう話がついちまったんだからよ。」
急に呼ばれて何かと思えば、端的に「明後日のテストには出席してほしい」ということだった。勿論、颯天の第一声はNO。
「次のテスト位ならまだ良いですけど。もうその頃には『あの子はそういう子』って認識つくでしょうから。
俺まだ休み始めてからちょっとしかたってない。逆に興味持たれる時期なんです」
颯天の意思は硬かった。はっきりいって、何かを妥協しないと颯天を頷かせることは難しいだろう。土方は悩みに悩んだ。
「……分かった。
テストだけ、と聞いてるから、テスト終わったら速攻で帰ってくればいい。」
「休み時間」
「お前がどんなに寺子屋時代を過ごしたか知らねぇが、テスト前の休憩時間なんざ、教科書死ぬ気で眺めてる奴しかいねぇよ」
確かに寺子屋時代颯天の周りにいたのは、ただのバカ(銀時)と、優等生のバカ(桂)と、厨二病のバカ(高杉)しかいなかった。あいつらに常識が当てはまるなんて、1ミクロンでも思ったことがない。
普通の学生は、土方の言うような奴らばかりなのかもしれない。
颯天は彼の言葉を信用することにした。
「わかりました。」
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作者名:霜夜 椿 | 作成日時:2018年6月14日 6時