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結果は颯天の敗北。しかし颯天は特に悔しがることもない。

「いてぇいてぇ!!まじ折れた!!ほんとに折れたからね!!
手加減したつもりなのかもしれないけどさ!!
絶対痣できたからこれ!!ほんとに最低!!鬼!!鬼畜!!児童虐待!!中二病!!!!」

「嘘つけ。俺もお前も全部寸止めした。
てめぇの蚊みてえな力じゃ、どうやったって痛くならねぇのにな。」

「なにそれバカにしてる?」

「ああ」

「Go to hell」

殺気に眼光を光らせているものの、不思議と緊張感はなかった。
ここでようやく口を閉じるのも忘れ、だらしない顔で一連のやり取りを見ていた兵が口を開き始める。"捷疾鬼"を名乗る、先程高杉とほぼ互角にやりあっていた少年は好奇の視線を集めていた。

「・・・もし、その少年が"捷疾鬼"であったとしてみれば、6年前、そやつは10にもならぬ子供ということになるでござろう?」

「せいかーい。八歳の"幼女"であったでござるー。」

颯天は茶化すように万斉の口調を真似して答えた。『幼女』という言葉を強調して。

「女!?」

「女だよー。
なに?みんな俺のこと可愛くないって言いたいわけー?
ひっどーい!ww」

幼子のように頬を膨らませ、不機嫌であることを主張したが、颯天の喉からは小さくクツクツという笑い声が漏れていた。

「そのへたれた口調と、作り笑いをやめろ。
悪趣味だ。」

「いいじゃないか。
14歳。思春期真っ盛りで、毎日が日充実してる天真爛漫な女の子。たまに調子に乗りすぎちゃうことが欠点。
みたいな感じでさ」

五月蝿いほどの月明かりと遠くの提灯の明かりが、今が夜であることを忘れさせるほど輝いていた。

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作者名:霜夜 椿 | 作成日時:2018年6月14日 6時

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