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「おいおい、人がせっかく祭りの余韻に浸ってるってのに。勝手に人の船に乗りこみ、勝手に騒ぎ立てるなんざ、躾がなってねぇぜ?」

「お前こそ、楽しい祭りで"お友達"に刀向けるなんて、躾がなってない。それに「黒い獣」とかほざいてたらしいな。いつまで経っても中二から成長しねぇ。
あ、だから身長も・・・・」

怪しげに笑う高杉。無邪気に笑う颯天。正反対な二人の視線が、対立することなく同調している。

「バカにしてくれるじゃねぇか。今から352回目の手合わせ、始めても良いんだが」

「悪い悪い、悪かった。
血まみれになった俺の手拭いのちょっとしたクリーニング代だよ。
手拭いも俺も血まみれになるなんて御免被るw」


「あの・・・晋介様?その子は・・・」

「旧友の様ではあるが、お主らの相違点が見つからない」

尻込みしてしまいそうな、微笑ましいような、温かいような、心を締め付けられるような、苦しくて悲しいような、色々なものが混ざりに混ざった不思議な空気が、見るもの全てを遠ざけた。
颯天と高杉の空間、その他の世界。その間に誰も越えられない一線が引かれたようだった。

「話すと長くなるがこいつは・・・」

「長くならねぇよ。一単語で完結できるな。
幼馴染。以上。」

「説明不足だ」

何故か誇らしげに胸を張りそう決める颯天に、高杉がクックッと歯の隙間から声を出して笑い、颯天の説明を一刀両断。

「こいつらに馴染み深いのは戦争のときのお前だろうよ、颯天」

「まあ、そうだろうな・・・」

「"坂田銀時" "桂小太郎" "坂本辰馬" そして"俺"。連想できるのはなんだ?」

攘夷戦争最後の砦。戦争の中でも特戦激しさを極めた時期の、最強を唱われた者たちだ。

「攘夷戦争・・・?」
「最後の砦?」

徐に口を開き始める兵士たち。しかし高杉はこんなそれに頷くことも首を振ることもしない。

「・・・捷疾鬼・・・・」

まだ若く、まさに攘夷活動も始めたばかりという感じの男が呟くようにそう言った。

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作者名:霜夜 椿 | 作成日時:2018年6月14日 6時

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