最強呪術士の最愛の妻

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今朝、仙台まで行く1年生たちを見送ってからのこと。
高専に一通のムナクソ悪い手紙が届いた。

【桑島 Aは 預かった。 明日の日没までに身代金1億円と交換だ。場所は】

「五条！」
「んなもん最後まで読む必要あります？」
学長が読み上げていた手紙を握り潰し、部屋を出る。

あぁ、久しぶりに 俺 の A を奪おうとする輩が現れたんだ。
「誰のか分かってて喧嘩売ってるなら、馬鹿でしかねぇよな？」

……で、僕は手紙の場所まで来た訳なんだけど。
「はぁ……やっぱりこうなるわけね」
指定された廃工場に向かい、扉を蹴り開けたまではいい。
目の前には腕を縛られたAと、柘榴に足蹴にされているおそらく犯人…であろう人物。
「A迎えに来たよ。柘榴もありがと」
「ったく…主殿、何度も拐われるな。主殿の番もしっかり見張ってやがれ」

Aの腕を縛る縄を解き、怪我がないか全身を見る。
「で、今回の奴らは？」
「去年呪詛返しした議員さんの依頼だって」
「あー…去年の交流会後のね」
い つ も お世話している警察官に電話をかける。
「あー僕だけど。またあったから、確保よろしく。場所ー？地図送るから。じゃねー」

「ねぇ」
迎えに来た車の中で、Aにすり寄る。
「はぁい？」
「たまにはさ、僕に助けられるの待ったりできない？」
「うーん……それは難しいです」
「なんで？」
Aの「難しい」発言にイラッとする。
僕はそんなに頼りない？

「待ってるだけのお姫様じゃ、最強の王子様の妻に相応しくないって舐められちゃいます」

「私は最強呪術士の妻、五条 Aなんですから」
「……ははっ」


やっぱり、僕の妻は最高だ。



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