ep.7 ページ8
＊
「ドフィー、最近あの小娘と会っているのか」
ディアマンテは突然俺にそう聞いてくる
「会っていないんだろう、どうも、ドフィーは外のストレスをここに持ってくるようなタイプだな」
おれのことなんて、みればわかるというわけか。
「久しぶりに会いに行ったらどうだ。あの小娘もきっとお前に会いたがっているんじゃないのか」
Aは今頃なにをしているのだろうか。
あの塔に連れて行ってからもう何年も経つ。
俺があいつに初めて会ったのは、もう随分昔の事。
小さくとも、不思議な魅力があった女に俺は心底心を惹かれた。
それからだ、俺があいつをだまして塔の中に暮らさせたのは。
小さいころから好きなものを与え、
次第に大きくなるにつれて、いろいろなものを教えた。
「…そうだな」
あいつは、俺が騙しているのを知ってか知らずか、いつも笑顔で俺を迎える。
俺はあいつをAと呼び
あいつは俺をドフラミンゴ様、と呼ぶ。
俺の話す一言一言に耳を傾け、こくんこくんと頷く様子や、
俺がしばらく塔に行かなくて寂しかったというその様子も
何もかもが、俺の物だと思えた。
「私も、素敵な王子様に会ってみたい…」
そうつぶやくAに、初めて殺意に似た感情が沸いた。
誰のものに触れさせないと決めたのに奪われてしまうような。
俺は彼女の頬に触れると、確かめるように聞いた。
「俺がいない間、誰もここには来ていないな？」
「は、はい！しばらくの間は、ベビー５さんもいらっしゃらなくて…とても寂しかったです」
ベビー５には、十分な仕事もせず、Aのもとに遊んでいたから近寄らせなかったのだ。
キスを落とさず、Aのそばを通り過ぎる。
いつもは交わす唇も、今日はしなかった。
それを察してか、Aが俺に尋ねる
「なにか、お辛いことでも？」
こいつはキスを知らない、
意味も知らない。
ただの行為としか考えていないだろう。
「しばらく、またお前に会うことはできない。」
しかしAはこう続ける
「わたしはいつまでもあなたをお待ちしておりますよ。ドフラミンゴ様」
そういってほほ笑むのだった。
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しょうこ - テレビアニメワンピースは見てませんけどこの小説を読んでサボっていう男の子キャラこの小説を読んで心も胸矢で射抜かれましたサボ的な王子様に巡り会いたいですね (2016年9月17日 23時) (
レス) id: 69d182fd38 (このIDを非表示/違反報告)
江華 - とてもいい作品でした。塔の上のラプンツェルや、シンデレラ、白雪姫などを使って表現する所に惚れました。 (2016年8月9日 16時) (レス) id: 4b19bd6ebd (このIDを非表示/違反報告)
勇者あああああ(プロフ) - らんさん» コメントありがとうございます。この作品もいよいよ終結に向かって更新を進めていく予定なので、どうぞよろしくお願いします。(-ω-)/ (2016年4月4日 16時) (レス) id: 6264b404ae (このIDを非表示/違反報告)
らん - 1週間まえに読ませていただいてから毎日更新されているかみにくるのがとても楽しみです！続きも楽しみにしています！がんばってください！ (2016年4月4日 15時) (レス) id: d891a46541 (このIDを非表示/違反報告)
龍帝 - ありがとうございます！！(T ^ T) (2015年12月23日 18時) (レス) id: 10db9c188c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：勇者あああああ | 作成日時：2015年10月10日 23時
