10話 ページ12
「ん、ここが図書室な。きっとペ神からエーミールに連絡いってると思うから、俺はここまでや。…また今度」
「ありがとうございました、また今度」
そうとだけ言って、兄さんは踵を返してしまった。
目の前の大きな扉を開き、中に入る。
中では、エーミールさんがわざわざ出迎えてくれた。
「何か知りたい事があるとお聞きしたのですが、どうしました？」
「あの、悪魔についての本とか図鑑とか、とにかく悪魔になった経緯とかが分かる本とかありませんか？」
すると、エーミールさんは顎に手を当てて考え、数秒間悩んだ末
「分かりました。本も貸しますし、私の知り得る情報をお伝えしましょう。……本当はあまり良くないのですが、私の友人の名誉の為にも、聞いて行ってください。」
そして、分厚い本を手渡されると同時に椅子を引かれ、オシャレなアンティーク調の椅子に腰掛ける。
これまたオシャレなカップに香りのいい紅茶を出され、この前教えて貰った時とは別の雰囲気で向き合う。
「まず、天使には人間から天使になった者と、天使として生み出された者に分けられます。私とオスマンさん以外は生まれながらの天使です。
この時点で若干考え方の違いなどはありますけど、基本は同じです。」
また新しい事実。この世界元の世界の常識が通じなさすぎるのよ……
「…さて、問題は私がまだ人間だった時に遡ります。
その頃、海には聖獣と呼ばれる蛇のような神聖な生き物が居るとされ、大切にされてきました。
彼は、蛇の様ではありましたが人間に近く、例えるなら人魚のような感じですね。
……恥ずかしながら友達が居なかった私は、海に行ってはよく彼と遊んだものです。」
「私も他の人間も、彼を神様だと信じて疑いませんでした。彼も自分は特別だと自負していて、海の危険から皆を守っていました。」
「しかし………私が、天使になった時、この世界の結末について知りました。
海で皆を守っていた心優しい彼は、最後の審判を生き残った人間に振る舞われる料理の材料として、生まれ生かされていたのです。」
「そして、それに彼も気づいてしまった。」
……とても親近感のある話の内容。これってまさか
「これが、リヴァイアサン。嫉妬の悪魔の誕生です。」
「やっぱり…」
「……悪魔も、元を辿れば許せない不条理を押し付けられた者達なんですよ。それをどうか、忘れないで」
……確かに考え方は違うのかもしれない。この話をあの刀を持った人が聞いたら、怒るんだろうな…
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へみおらのりりぃ - すごく面白い！ 更新待ってまーす！ (2022年12月11日 5時) (
レス) @page29 id: 9448ccf0f8 (このIDを非表示/違反報告)
朱蛛(プロフ) - 夢女で悪かったなさん» コメントありがとうございます！ちょっと、色欲は扱いずらくて…( ；∀；)この小説をR指定する訳にもいきませんし…苦肉の策の「色欲＝遊び人」って感じですねᕕ( ᐛ )ᕗそれはそうと、主人公に寄り添って何がしたいんでしょうね？(ˆωˆ ) (2022年12月6日 23時) (レス) id: 0c20be0e3f (このIDを非表示/違反報告)
夢女で悪かったな(プロフ) - 文頭読んだら「全て嘘」って、天使と繋がりあってもやっぱり悪魔してますね。これだからutさんは… ただの私の感想なんですけど、utさんって他の方々と違って遊びとして捉えてる感じがする…？ よくわからないけど一線引いてるって感じがするんですよね…(そこも好き) (2022年12月6日 22時) (レス) @page26 id: 6eeb9ee70c (このIDを非表示/違反報告)
あ(プロフ) - 朱蛛さん» お返事ありがとうございます！はい！それで十分ありがたいです！活動頑張ってください！！ (2022年11月27日 23時) (レス) id: 1423256604 (このIDを非表示/違反報告)
朱蛛(プロフ) - あさん» コメントありがとうございます！そうですね…次回の更新から区別を付けさせて頂きますね( ˙꒳˙ )ゝ既存のは文字数がオーバーしてしまうので…grやtnという感じでも宜しいですか？ご指摘、ありがとうございました！∠( ˙-˙ )／ (2022年11月27日 13時) (レス) id: 0c20be0e3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱蛛 | 作成日時：2022年11月5日 22時
