とっておきのプロポーズ【志麻】 (ページ10)

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「A……！？」

「誕生日………おめでと、志麻くん。」

サプライズ成功だね。なんて子供みたいに笑う彼女をみて、これは仕返しせんとなぁなんてプライドが生まれる。

「ホンマ……反則やろ。ありがと。」

「えへへ、0時になって誕生日になったらしようと思って。」

「ったく………」

「志麻くん、顔赤いよー？」

悪戯な笑みを浮かべる彼女。うん、これは仕返し確定やな。
どうしようかなぁ…………決めた。

「それなら、誕生日やし……プレゼント貰わんとなぁ？」

「ふぇ？？？……ちょ！？」

「ほら、もっかいしてや？」

並んで座っていたソファーにそのまま彼女を押し倒す……訳ではなく自分の膝の上に彼女を乗っけて煽ればたちまち真っ赤な顔をする彼女。ふはっ、かわえぇな。

「してくれんの？」

「え、いや………えと……」

「しないなら……」

「ふぇっ………んぅ……っ」

背中を抱き締めていた腕をそのまま後頭部へ回し、口付ける。長くキスをしていれば酸素を求めて唇が開いたからそのまま舌を忍び込ませて弄んでいく。

「ちゅっ…………」

「んぅ………ふっ……んぁ………」

「んっ………」

水音だけが部屋に響いて甘い甘いムードになる。肩に置かれた手に力が入って叩かれる。もう限界か、なんて唇を離せば俺らを繋ぐ水糸が光っていた。

「ばっかじゃないの……」

「煽ってきたのはAやし？」

「ホント……バカ…………」

顔を赤く染めてそんなこと言われても煽るだけなんよなぁ……でも、今日はこれ以上手を出さへんのや。
今日の夜の為にもな……！！！

「ねぇ、志麻くん。」

「ん？」

「お誕生日おめでと、大好きだよ。」

「………ばーか」

「えー？」

「俺の方が、好きやわ。」

「何それ……あ、はいこれ。」

そういって、長方形の箱が渡される。包装紙を剥がして開ければそこに入っていたのは黒と紫のマフラーやった。

「暖かそうやん、ありがとうな。」

「寒くなってきたしね！」

「そうやな。」

スマホを見ればうらたんを始め歌い手仲間たちからのお祝いメッセージが来ていた、俺も幸せもんやな。これからやらねばいけないことを、俺がやりたいと覚悟を決めたこと…頑張らんとな。