新緑の香り

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神「あ、」

重「ん？」

神「だいほん、」

重「え？」





何を思いついたのかと思ったら舞台のことだったらしい。





重「神ちゃん、今そんな状態で無理やろ？1回忘れよ」

神「でも、」

重「誰も置いてかへんよ、優しくて楽しいカンパニーって嬉しそうに話してくれたやん。座長のこと置いてくと思う？」

神「………おもわん」

重「じゃあ大丈夫。治すことだけ考えよ？」





何とか納得してくれたらしい。

意識曖昧な中で舞台のこと考えられるなんてどんだけ仕事熱心なんや。





て、どうやってこの熱下げる？

病院は行きたくないて言うだろうから最終手段にしてあげたい。





重「タオルで頭冷やす？それなら大丈夫？」

神「うん、いいよ」





話し方がとろんとしていて可愛くなってる。





神「つめたっ、」

重「神ちゃんが熱いからなぁ」





これで下がらんかったら最終手段やな。

看病とか経験ないから何したらいいかわからん。





あと水飲んで欲しいねんけど。





重「神ちゃん、起き上がれる？」

神「ん、しょ、」

重「お水、飲める？」





目を強く閉じて首を横に振る。





重「飲まんと、脱水なっちゃうよ」

神「…吐きたくない、」

重「あー」





だから嫌なのか。全然わかってない俺。こういう時どうしたらいいんや。もうGoogle先生頼り。





重「1.2時間なら飲まなくていい………受診するべき…………もう何が正しいん！」





調べるほど色んな病気が出てきて怖い。

大丈夫やと思うけど、神ちゃんやから余計。

普段はない心配性が出てしまう。





重「とりあえず、寝とき〜」





神ちゃんにはそう言ったけれど内心焦ってるし、どうしたらいいかわからん。

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