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「ふふっ。運命なのかもよ??
 でも大事にしたらいいよ。久しぶりじゃん、
 Aが仲良くしたいと思う男のコなんて。」



「確かに。」




うっすら明るんで来た空を見て店内に戻るとお客さんも落ち着き


今いる女の子たちでどうにかなるとのことでAは今日の分の給料を紙袋で受け取ると


波音と上がることになり着てきた服に着替えた。




「さーて、約束通り飲みに繰り出そうか。」



「うんっ。」




美女が仲良く腕を組んで歩く様は白んだ街をゆく人々を振り返らせた。




Aは今でこそ自由奔放に楽しく生きているが、3年前に1度自由を諦めたことがあった。


今と同じく愛人契約で暮らしていたAに目を付けたのは組の若頭だった。


Aを痛く気に入った若頭は愛人契約としてではなく本物の愛人として囲うことにした。


当時契約していた顧客たちはこぞって制裁をと言ったが、相手が悪かった。


Aは甘んじてそれを受ける代わりに顧客たちとの契約を全て打ち切った。


ヤクザや極道が相手となればどんなことをされるか分からないと、Aなりの顧客への優しさだった。


そんな生活を続けて2年弱、梵天との取引に失敗した若頭は消息不明の末に組は壊滅。


Aは晴れて自由の身となった。




そして前と同じ、今の生活に戻った。




「でもさ、ホント心配になるから気をつけなよ??」



「何とかなるもんじゃないんだよねー…
 でも普通の人みたいに生活に紛れ込めたと
 しても息苦しくなっちゃうんだよね。


 わたし人として終わってるかな??」




Aはグラスを傾けながらそう呟いた。




「何言ってんの。
 あたしらまだまだこれからじゃん??
 人生折り返すまでどうにでもなるよ。


 ってあたしが言ってもあれか。」



「波音ちゃんはさ
 この後のこととか何か考えてるのー??」



「言うほど考えてないなー。
 いつも行き当たりばったりだし。」



「わたしもー。


 でも波音ちゃんはきっと
 普通に生きて行けるよ。
 わたしみたいにおかしいワケじゃないし。」



「それはどうだろ。


 今までも選ぶ気があったら選べたはずなのに、
 そうしなかったのが答えじゃない??」




あっけらかんとそう言った波音にAは頷いた。




「それもそうかー。
 わたしも波音ちゃんも結局は
 違う生き方選ばなかったんだもんね。」




どちらからともなく笑って酒を飲んだ。




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YUMi(プロフ) - ゆんこさん» ゆんこさん、新作見てもらえて嬉しいです!!期待に添えるように頑張ります(⁠◔⁠‿⁠◔⁠)性格悪めは書いてて楽しいです笑 (2022年11月13日 16時) (レス) @page4 id: 85b1561d95 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんこ - 新作待ってました!性格悪い夢主ちゃんいいですね!!これから楽しみにしてます!無理をなさらず頑張ってください!! (2022年11月12日 22時) (レス) @page2 id: 8a5959758c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:YUMi | 作成日時:2022年11月12日 18時

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