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ノックの音がしてVIPルームに黒服が入ってくるとAに耳打ちした。


頷いたAはお見送りにまた席を立った。




「竜胆くんはAのこともう
 結構気になっちゃってるんだね。」



「…んー。まぁ。」




波音の言葉に竜胆は頷いた。




「そっか。でもAと仲良くして
 くれるつもりなら、今みたいに隠しててね。」



「今朝聞いたわそれ、ホテルで。」



「ある程度までは抑えられても、それ以上は
 煩わしく思っちゃうみたいなんだよね。


 いつかホントに好きな人が出来れば変わるかな
 って思ってるけど、今まで現れなかったから。」



「波音ちゃんはAのこと大事なんだな。」



「Aが何よりあたしのこと
 大事にしてくれてるからだよ。」



「俺波音ちゃんとも仲良くなれそーだわ。」



「それは同感。連絡先交換する??
 もし、Aのことで悩んだら
 話くらいは聞いてあげられるよ。」



「じゃあしとく。」




スマホをいじって連絡先を交換すると竜胆は笑った。




「まさかの波音ちゃんも本名だったり??」



「そうだよ。面倒だもん、使い分けるの。」




どちらからともなく笑うと竜胆のスマホが着信を知らせた。




「…兄貴だ。」



「出ていいよー。」




竜胆は電話に出て、いつもの調子の兄の言葉にため息交じりで頷くと電話を切りスマホをしまった。




「呼び出しだわ…」



「そっか!!会計はいいよ。
 Aがご馳走するっ言ってたから。」



「さすがに悪ぃわ。ワインとかある??
 買って帰るわ。2人に1本ずつつけといて。」




波音はメニューを竜胆に渡すと1番ランクが上の赤ワインを2本買い、立ち上がった。




「あれ、帰る??」



「悪ぃな。兄貴から呼び出しなんだわ。」



「ううん。
 来てくれてありがとう、楽しかったよ。」



「竜胆くんあたしたちに
 赤ワイン1本ずつ付けてくれたよ。」



「えー、良かったのに…ごめんね??」



「こっちこそ飲ませてもらってありがとな。」




にかっと笑った竜胆はAの頭を撫でた。


黒服がワインを持ってきて竜胆はガードで支払いを済ませると2人に見送られて帰って行った。




「何かホントいい人、竜胆くん。安心したよ。」



「ねー。つくづくカタギじゃない
 人と縁のある人生だよ。」



「竜胆くんてあれだよね、梵天の…」



「うん、あの刺青はそうだね。
 ある種、命の恩人なのかもしれないね。」




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YUMi(プロフ) - ゆんこさん» ゆんこさん、新作見てもらえて嬉しいです!!期待に添えるように頑張ります(⁠◔⁠‿⁠◔⁠)性格悪めは書いてて楽しいです笑 (2022年11月13日 16時) (レス) @page4 id: 85b1561d95 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんこ - 新作待ってました!性格悪い夢主ちゃんいいですね!!これから楽しみにしてます!無理をなさらず頑張ってください!! (2022年11月12日 22時) (レス) @page2 id: 8a5959758c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:YUMi | 作成日時:2022年11月12日 18時

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