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「うん。」



「油断だけはするなよ。
 俺らみたいなヤツら相手に絶対はねぇ。」



「わかった。」




Aは蘭の目をしっかり見つめ返すと頷いた。




「…何でAチャンはそんなに
 そのオジさんに拘ってんだー??」



「ふふっ。気になる??」



「Aチャンのことになれば
 俺は気になることだらけだけどな。」



「わたしの今までの人生を語るには
 オジさんの存在は必要不可欠。
 良いことなんて1つもなかったけど、
 感謝はしてるの。


 おかげで今わたしはこんなに愉しいんだから。


 もう2度と会うことはないと思ってたけど
 そんなオジさんから遊びを持ち掛けられたの。」




Aはどこか弾んだ声でそう言い、まるで少女のようにあどけなく笑った。




「これがわたしの求めてた人生なら夢中で生きて
 愉しむしかないよね。だって遊びなんだから。


 他の誰だって分かってくれなくていい。


 わたしが愉しいなら、これはわたしにとって
 価値のある人生だよ。」



「そっか…」



「わたしは自分のために
 たくさんの大切なモノを失くした。


 これでつまらなかったら、そのために
 失くしたモノの価値まで失くなっちゃう。


 それは今までの全部を裏切ることになる。」




Aの話を頭の中で繰り返しながら、蘭は思った。


このコは底がない。


そして人の感情を読むのに長けたはずの自分ですらその本心が欠片も見えない。


いっそボロボロに泣いて、助けてと縋ってくれた方がよっぽど良かった。


そうしてくれれば、迷わずに助けることが出来たのにと。


そこまで考えてふっと表情を緩めた蘭は立ち上がるとAのすぐ側に寄り、頬を優しく撫でてその目を覗き込んだ。




「…Aチャンは大丈夫かー??」



「うん、わたしは大丈夫だよ。」



「…ホントに??」




あくまで優しくそう尋ねる蘭にAはほんの一瞬、目を揺らすとその手に触れた。




「…波音ちゃんとマスターが見られちゃった。


 それだけが心配なの…2人に何かあったら、
 わたしもう消えたくなると思う…」




そっとAの手を握った蘭は頭を抱き込むように引き寄せると、優しく言った。




「大丈夫。2人は蘭チャンに任せとけ。


 それに2人もちゃんと自覚してるよ。
 Aチャンにとってどんな存在なのかを。」



「…なら、いいの。


 わたしが傷つくのはいいから2人がいつもの
 ように笑っててくれれば、それだけでいい。」




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YUMi(プロフ) - ゆんこさん» ゆんこさん、新作見てもらえて嬉しいです!!期待に添えるように頑張ります(⁠◔⁠‿⁠◔⁠)性格悪めは書いてて楽しいです笑 (2022年11月13日 16時) (レス) @page4 id: 85b1561d95 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんこ - 新作待ってました!性格悪い夢主ちゃんいいですね!!これから楽しみにしてます!無理をなさらず頑張ってください!! (2022年11月12日 22時) (レス) @page2 id: 8a5959758c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:YUMi | 作成日時:2022年11月12日 18時

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