検索窓
今日:5 hit、昨日:28 hit、合計:36,225 hit

31 ページ32

·




「俺キャバクラ来てこんなに
 放置されんの初めてなんだけど。」



「すいませんね、お兄さん。
 そろそろ1階のAのお客さん順番に帰り
 始めるからゆっくり出来ると思いますよ??」



「12時前なのにもう帰んの??アイツら。」



「Aの出勤自体不定だし
 毎日お店の前通って看板確認したりとか


 他の嬢がSNSでアップしたの見て来店の
 お客さんが多くて、ひと目見て話せれば
 いいくらいの人がほとんどなんですよ。


 それにAと20分話すために
 あの人たちは結構お金使っちゃうし。
 マナーのいいお客さんで助かってます。」



「本指がAチャンなのに他の嬢がずっと
 テーブル付いててキレたりしねぇんだな。」



「Aのお客さんは特に紳士が多いんです。」



「へぇ、それどんな手使ってんの??」



「簡単ですよ??自分が嫌なことはしないで
 って先に言っちゃうんです。
 言うこと聞いてくれないお客さんは
 申し訳ないけど出禁です。


 マナーを守ってくれるお客さんを
 大事にしてるだけですよ。」



「嬢の質が良くなきゃムリな話だなー。」




蘭はAが隣に座っただけでとても穏やかな顔をする客の男たちを見つめた。


テーブルを周りつつ、何人か帰るのを外に見送りをしていたAは店内に戻ったところで黒服に声を掛けられた。




「Aさん、以前VIPに案内した
 竜胆さまがいらっしゃいました。」



「あ、ホントに??ならお迎えしないとね。」




Aは外に立っている竜胆のそばに駆け寄った。




「竜胆くん、お仕事お疲れさま!!
 今日も来てくれてありがとう。」



「よ、A。今日は兄ちゃんが悪かったな。
 お詫びにこれやるよ。」




竜胆はにかっと笑うと後ろ手に持っていた大きなぬいぐるみをAに渡した。


キョトンとしたまま受け取ったぬいぐるみを見つめた。


すると目がキラキラ輝いた。




「わぁ…ゲンガーくんだ!!」



「ふはっ、マジでゲンガー好きだったんだな。」



「えー、教えたっけ??わたし大好きなの!!」



「波音ちゃんがAはクラゲと
 ゲンガー好きって言ってたから。」



「そうなんだ!!ゲンガーくん寝てて可愛いー!!
 ありがとう竜胆くん!!大事にするね。」




すやすや眠った顔のゲンガーのぬいぐるみをギュッと抱きしめて笑った。


竜胆に手を差し出すとその手はそっと優しく握られ、そのまま店内に入った。


Aは自分でも気付かないうちに頬を緩めて笑っていた。




·

32→←30



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (17 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
110人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

YUMi(プロフ) - ゆんこさん» ゆんこさん、新作見てもらえて嬉しいです!!期待に添えるように頑張ります(⁠◔⁠‿⁠◔⁠)性格悪めは書いてて楽しいです笑 (2022年11月13日 16時) (レス) @page4 id: 85b1561d95 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんこ - 新作待ってました!性格悪い夢主ちゃんいいですね!!これから楽しみにしてます!無理をなさらず頑張ってください!! (2022年11月12日 22時) (レス) @page2 id: 8a5959758c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:YUMi | 作成日時:2022年11月12日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。