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「マニキュア自体もだけど
ワカくんの肌の色によく合ってる。」
「…いい色だな。」
自分の爪に乗せられた鮮やかな赤。
ジッと見つめて呟く。
手持ちのマニキュアを
いくつか並べてその色に合わせる。
「…やっぱり、この色が1番映えるんだ。」
まるで最初から
わかっていたように1本選んだ瓶を握る。
「デザインは決まったよ。
練習もさせてもらおうと思ったけど
やっぱり本番まで内緒にしておくね。」
「なら、たのしみにしてるわ。
まだ早ぇし今から飲みでも行くか??」
「うんっ、行くー!!」
テーブルに出した道具を
綺麗に片付けると出掛けた。
途中、通り掛かったショップの
ショーウィンドウに飾られた
メンズの新作ブーツに目を奪われる。
「あ、これカッコいい。」
「A昔からこのブランド好きだよな。」
「うん。こういうブーツも好きなんだよね。
蘭くんみたいに背の高い男のコが
履いてたらよく似合うんだろうなぁ。」
「あのスタイルならそこらのモデルなんか
よりよっぽど似合うだろうな。」
「ね!!同じ背が高いでも真ちゃんには
ちょっと違うかなって感じ。」
「ははっ、今まで見た中で真ちゃん
つなぎが1番似合うんじゃね??」
「それは確かに…
真ちゃん来月誕生日だから
カッコいい服でもプレゼントしようかな。
全身コーデだったら着やすいでしょ。」
「Aからならよろこぶだろうけど、
キャバクラにもつなぎで来る
真ちゃんがいつそんな服着んだよ。」
「えー、デートとか??」
「それは告白20連敗の傷抉ってるわ。」
「これから必要になるだろうし、
わたしがオシャレしてる
真ちゃん見たいからいいのー。
試験終わったらワカくんも付き合ってね??」
「はいはい。」
ショップの並ぶ通りを過ぎて、居酒屋に入る。
賑やかな店内でお酒とつまみを頼んだ。
「そういえばうちのジムで働くように
なったらアパートどうすんの??」
「それ考え中なんだよね。
あのお店に通うのに住み始めたから
辞めちゃえばいる理由もないんだけど
通ってるお店もあるし、あのアパートも
たくさん思い出があって離れ難いなって。
職場に近い方がいいとは思うんだけど…」
「ふーん。
ま、俺も弁慶も不動産には少し顔効くから
もし引っ越すんだったら声掛けろよ。」
「何から何までありがとう。
ホント、ワカくんたちに
足向けて眠れないね。」
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作者名：YUMi | 作成日時：2023年12月12日 16時
