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「金髪がとっても似合う
天使みたいなコだったな。」
目だけを動かせばすぐそこに
蘭の満足そうな顔があった。
「そっか。」
「笑った顔が可愛くて、キラキラ輝く太陽が
すぐそこにあるような気がしたんだ。」
「うん。」
「ずっとそのコを見つめていたくて
それだけだと思ってたのに…
気が付いた時にはもう、焦がれてたの。」
小さく息を呑む気配に微笑む。
「そして、この想いはわたしの宝物になった。」
そっと回された腕に手を添える。
「ありがとう、蘭くん。わたしにまた
こんな素敵な気持ちを持たせてくれて。」
「Aチャン、何でそんな
終わりみたいな言い方すんの…??」
意図が読めないと確認するようにそう尋ねれば
添えられた手が蘭の綺麗な指を握る。
体に回した腕の力を緩めると
Aは蘭と向き合った。
「終わりじゃないよ。
わたしたち、まだ何も始まってないもん。」
微笑んだままそう言うAに
安心したように息を吐く。
「蘭くん、わたしから指名です。
8月30日に会いに来てくれますか??」
「…ん、わかった。」
「何時になってもいいから待ってるね。」
念を押すAに真剣な顔で頷く。
「今日はもう帰ろ??Aチャン。」
「うん!!」
握った手を引いて隣に並んだ。
何か考えるような表情でジッと
前を見つめて歩く蘭を横目に微笑む。
最近、前よりも毎日がたのしくなったんだ。
肩の荷が降りたって言うのかな??
蘭くんの顔を見てるとこの気持ちが
溢れて止まらなくなるの。
でも、まだダメ。
この先わだかまりになりそうなことは
全部、今のうちに解決しておきたい。
お父さんのことも、仕事のことも。
またすれ違ってしまうことがないように。
「…いつも、何も
言ってあげられなくてごめんね。」
「どうしたぁ??」
「ホントは蘭くんに言わなきゃいけないこと、
いっぱいあるのに…わたしうまく出来なくて。」
「…俺もさ、前はそう思ってたんだよね。
何で俺に頼ってくれねぇんだとか
そんなことで腹立てたりしてたけど…
Aチャンは、ちゃんといつも
逃げないで向き合ってくれるじゃん。
俺が歳下とか、そんなの関係ナシで。」
ふっと緩んだ顔でAを見下ろす。
「なら、俺はAチャンが
話してくれるまで待てばいいだけだった。
こんな簡単なこと何で
もっと早くわかんなかったんだろーな。」
「蘭くん…」
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作者名：YUMi | 作成日時：2023年12月12日 16時
