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「おばあちゃんと過ごす時間は温かくて
ホントの家族のようでわたしも救われました。
少しでも恩返しできたら良かったです。
娘さん夫婦やお孫さん、旦那さんとも
やっと会えるんですね。」
Aはおばあちゃんの手を胸の前で
組ませるとその手を両手で握った。
そして、その額にキスをした。
「側にいてくれてありがとう。
おばあちゃんといたから
ちっとも心細くなかったよ。
今までたくさん頑張ったね。」
先生がおばあちゃんを綺麗にするのを
Aも手伝い、夜は更けた。
翌朝、街中の人たちが家を訪れて
棺におばあちゃんを入れた。
そして家族と同じお墓に埋葬された。
たくさんの花でお墓が飾られる。
家の方は町長が片付けてくれるそうで
Aはおばあちゃんと撮った
1枚の写真を大事に仕舞った。
荷物を纏めるとバブを走らせ、
働いていた酒場に顔を出した。
いつもの常連さんたちが
おばあちゃんの思い出話に花を咲かせていた。
深く頭を下げてお世話になったお礼をすると
みんな泣きながらAを見送った。
またいつでもおいでよと声を掛けられて
Aも微笑んだ。
「どうかいつまでもお元気で。」
Aが酒場を出ると停まった黒い外車に
身を預けるように蘭と竜胆が立っていた。
「…すごいね。エスパーなの??」
「俺らAのことで分かんなかったことは
あんまりねぇつもりだけどー??」
「ははっ。確かに。」
「それもそうだったね…
やるべきことが済んだから帰ろうと思って。」
「…バァさん笑ってた??」
「うん。最期まで笑ってくれたよ。」
「ご苦労さん、A。」
「俺らも仕事一段落したわー。
バブも乗せられるように明日の昼に
ジェット手配してもらったから。
帰ろうぜー??」
「今日は俺らのホテルで泊まって出発な。」
「竜胆が車乗ってくから荷物乗せてもらえー??」
「うん、竜ちゃんこれお願いね。」
「おう。先行ってるから兄ちゃんと
久々にドライブしてこいよ。」
竜胆に荷物を渡したAは
既にバブの前に乗る蘭に笑みを溢した。
「ヘルメットしなきゃ乗せないよ。」
「おー。久しぶりだなバイクなんて。」
蘭は竜胆からヘルメットを受け取ると
大人しく頭に被せた。
Aも自分のヘルメットを被ると
蘭の後ろに乗った。
竜胆はそれを見て車に乗ると窓を開けた。
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作者名：YUMi | 作成日時：2022年7月23日 12時
