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ここはもう東京卍會も梵天も存在しない、
武道や直人他にも多くの人が望んだ2017年。
武道の周りには笑顔が溢れているはずだった。
だがこの場にただ1人、誰よりも
みんなの幸せを願っていたAだけがいない。
「ねぇ、直人。Aちゃんて…」
「大丈夫です、武道くん。
蔵谷Aは生きています。
何か事件に巻き込まれたとも
病気をしたとも聞いていません。
…ただ、2年前を最後に一切の
連絡が途切れているそうです。」
「…そうなんだ。
でもマイキーくんも
みんなもちゃんと生きてる。
Aちゃんも生きてるなら
きっとまた会えるよな…??」
「ええ、きっと。」
直人は頷いて武道の肩を叩いて、背を押した。
「今日は姉が東卍の元メンバーと
飲み会があると言っていました。
情報収集にはうってつけです。
武道くんも準備を。」
そう言われて準備をして日向とともに指定の
飲み屋に向かうと宴会用の広い席に通された。
すでにその席に座っていた千冬の隣に
武道は座ると早速尋ねた。
「なあ、千冬。
俺つい何時間か前に
戻ってきたばっかりなんだ。
今みんなどんな状況か
教えてもらっていいかな??」
「タケミっち、先に断言しとく!!
この時代、みんなはちゃんと幸せだ。
俺はペットショップ経営してて、
場地さんと一虎くんと働いてる。
三ツ谷くんはデザイナー、八戒はモデル、
スマイリーとアングリーはラーメン屋、
パーちんくんは親の会社継いで、
ぺーやんくんもそこ手伝ってる。
ドラケンくんはイヌピーとバイク屋、
エマちゃんはネイルサロン勤務、
マイキーくんも高校出て日本縦断の旅してから
探偵事務所作って働いてる。
タケミっちが頑張ったおかげで
みんなちゃんと生きてるぜ。」
「…Aちゃんは??
Aちゃんと最後に会ったのはいつ??」
「Aちゃんと最後にちゃんと
会ったのはもう3年前になる。
連絡はちゃんと取り合ったりしてたけど、
2年前を最後に音沙汰も無くなった。
LINEに既読もつかなくなって…
今日もその話があると思う。
みんなAちゃんのこと探してんだ。」
「聡さんは…??」
「今日は聡さんも来るぜ!!
何なら今日の飲み会は
聡さんのためでもある!!」
千冬はニカッと笑ってそう言った。
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作者名:YUMi | 作成日時:2022年7月23日 12時