月のメロディー〈O×S〉 (ページ27)

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資料を握りしめ、非常階段へと向かった。

あの銃声の大きさからするに、犯人は1階に居ると予想される。

となると、1階には警察が揃っているだろうな...。

雅「ねぇ。大丈夫なの...？」

　「何がです？」

雅「犯人の居る方に向かって...」

　「まぁ、大丈夫ではないでしょうね」

雅「さらりと言っちゃったね......」

この事件......翔ちゃんの読み通りかもしれませんよ？

非常階段を降りきると、駐車場についた。

そこから、地下を目指す。

雅「地下になんかあるの？」

　「...相葉さんは、ここ最近続いている殺人事件のことは知っていますか？」

雅「ある程度は」

　「犯人は、罪を償なったはずの犯罪者のみを殺しています。では、どうやって犯罪者を選んでいるのでしょう？」

雅「え？それは、指名手配犯とかのポスターを見てとか？」

　「まぁー、それもあるでしょうが...。殺されているのは、指名手配としてリストに載っている人物ではないんですよ」

雅「...じゃー、どうやって？」

難しい問題を解くかのように、頭を悩ませている。

相葉さんには、少し難しいかったかなー？

　「見られているんですよ、全て」

雅「...は？」

　「俺もはっきりとは言えませんが、この殺人事件の犯人は警察の行動が目に見えていた。ということです」

この事件には、人間ではないものが絡んでいる。

鑑識官としては認めたくないものだが、それしか言いようがない。

これは、人間ごときが容易く絡んではいけなかったんだ。