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金「あなたは、ある人物を探してますね？」
「えぇ、まぁ...」
金「その人物は、もうあなたの前には姿を現さないと思いますよ」
「えっ？」
どういうことだよ。
もう、会えないってこと？
嘘だろ...。
金「その人物は、あなたとは釣り合わない。それと、その人は、あなたに隠し事をしている」
確かに、彼は俺に隠し事をしている。
確信はしていないが、そんな気がする。
「...どうすれば、彼に会うことができますか？」
金「彼の気持ちになってみたらどうだ？」
優しかった彼の口調が、急変した。
俺を責めるような、低く響く声だった。
彼の優しい声とは、真逆だ。
金「なんで、彼は君みたいな人間に目を付けたのか...。有り得ないとは思わないか？」
「......友達だから...」
金「友達？」
確かに、彼がなぜ俺の友達になったのかは分からない。
でも、彼は独りで悲しそうだった。
「彼には、失礼だけど......友達がいなかったのかな？だから、俺と友達になって、楽しかったんだと思う...」
金「...へぇー......」
出す言葉がないのか、ニヤリと笑った。
金「だから、彼はああなったのか......」
「...彼の知り合い？」
金「知り合いというか......仲間だね。ありがとう、なんでなのか分かったよ」
「彼と会っているのなら、伝えてください。......好きだって」
金「あぁ、伝えておくよ。...だけど、もう覚えてないかもね？」
ハハハっと笑いながら、どこかへと行ってしまった。
覚えていない？
彼が、俺のことを？
その言葉の意味は、どういうことなんだ...。
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作者名：＊蒼風＊ | 作成日時：2015年3月26日 20時
