月のメロディー〈O×S〉 (ページ14)

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‐？side‐

何、ぶっ倒れてんだか...。

新月の日に、人間なんかと会うなんて、バカといか思えない。

月の力が、一番弱まる夜。

それが、新月の夜。

月にとっては、辛い夜だな。

そんな夜に、人間界に行くなんてな。

　「あいつは、あんなにバカだったか？」

昔はみんなから憧れていたのに、今ではそんな面影もない。

あんな人間なんかの何がいいんだか。

いつもは綺麗な泉や植物が生えているのだが、今夜はだだ真っ黒な空間だった。

　「バカな奴だ...」

泉の側で、横たわっている人影に近づいていく。

苦しそうに蹲り、目を閉じている。

新月の日は、毎月こんなんだ。

　「あの人間のどこがいい？普通の人間じゃないか...？」

　『......約束だ...』

　「約束？フッ。人間のまねか？」

　『.........っ...約束を...守んないと......いけないんだ...彼が......俺に託してくれた......』

そう言って、辛そうに呻いた。

馬鹿馬鹿しい。

今夜月が現れれば、全て忘れるというのに。