＊11＊ 君の秘密 ページ11
いつもの花壇に着くが、彼の姿はなかった。
まだ、来てないのかな...？
「来てくれるのかな......」
待っているうちに、次第に不安になってきた。
でも、まだ希望は持っている。
彼は俺に、『楽しみにしてるね』って言ってくれたんだ。
きっと、来てくれる...。
あれから、1時間たった。
彼は、まだ現れない。
「.........ダメか...」
やっぱり、無理だったのか......。
俺との約束...破ったのかな......
「はぁ......やっぱ...悲しいな......」
クリスマス、一緒にいれると思ったんだけどな。
別に、彼が好きな訳じゃない......。
いや、好きなのかもしれない。
だけど、それは俺が男が好きという問題ではなくて、彼は友達として好きで...。
好きというか、大好きで。
まだ、会って何日間しか経ってないのに......変だよな、俺って。
「帰るか......」
ゆっくりと立ち上がり、人で賑わった道を歩いていく。
ほんとは、二人で歩くはずだった道。
アパートに着き、ポストを開ける。
「ん？」
ポストの中に入っていたのは、一枚のメモ用紙。
2つに折られていた。
それを開くと、たった一行だけの文章があった。
慌てて書いたみたいに、乱雑に書かれていた。
『約束、守れなくてごめん』
「智くんから...？」
彼だとしたら、彼らしくない字だった。
どうしたんだろ...。
「...なんで、俺のアパートを......？」
彼には、俺のアパートも、電話番号も何も教えていないはずだ。
なのに、なんで......。
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作者名：＊蒼風＊ | 作成日時：2015年3月26日 20時
