【東京喰種】モノクロ狐番外編【男主】 (ページ45)

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『相談』ページ45

コウside

ラクちゃんの髪は墨絵で使う墨より真っ黒で、見た目はふわふわしてそうなのに触るとサラサラと簡単に指を通して絡まる事がない。

コウの髪は不規則な生活が続くからかゴワゴワとしてはいないけど偶に絡まる。

コブちゃんの髪は触った事ないけどきっと彼に似て硬いのだろう。

アメちゃんはラクちゃんに褒められたいから頭の先から爪先までお手入れを欠かさない。だからアメちゃんの髪はワックスを付けなくってもサラサラと風に吹かれる姿は絵になる。

コウは偶にラクちゃんの髪を梳かす、別に頼まれたからとかじゃない。彼の相棒であるコリちゃんにブラッシングをする感覚に近い。その間は誰も干渉してこない。それはコウにとっては有難い。

「ねぇ、ラクちゃん」

「んー？」

「コウにね新しいお友達が出来たの」

「ほー、おめっとさん」

「それでね、その子腕にたくさん傷があるの」

「･････････」

「止めさせたいのに止めなくってどうしたらいいの？」

いつの間にか髪を梳く手を止めていたらラクちゃんは後ろを振り返る。

「そんなの簡単だよ、お前も同じ事をすればいい
そうすればソイツの周りに“同じ仲間”が出来る
どうせ、ソイツはたった一人から二人になる

仲間が欲しいのか、唯一になりてーのかは分からねーがそれが無意味なら喰っちまえ

そこで初めて自分が本当に死にたいのか分かるからな」

後日ラクちゃんが言った通りにしたらその子はカンカンに怒った。何がしたいのか分からなかったからコウは彼女を喰べる素振りを見せたら泣きながら謝ってきた。

(なんだ、本当は生きたいんじゃないか)

コウはその子と距離を置く、どうせ彼女もコウから離れるんだ。だったら先にコウから離れよう。