【東京喰種】モノクロ狐番外編【男主】 (ページ33)

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『恋愛』ページ33

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正直、恋愛と言うものは分からない。

今も目の前でコウが男女が描かれている表紙の漫画を読み、目を輝かせている。
裏表紙のあらすじを読むがさっぱり分からん。しかもこの前コウが同じタイトルの漫画を読んでいたが表紙の絵が女は同じだが男が違うのを思い出した。

「なに、その漫画って泥沼？」

「違うよ、二人の男性が一人の女性をめぐるお話」

「何が面白いんだか、どうせ最後はどっちかが噛ませ犬なんだろ

もしくは、女のライバルとくっつくんだろ」

呆れた顔で見るがコウは新刊が出た喜びか内容が好みなのかご機嫌のままだ。

散歩をしながらカップルを観察するが、何が楽しいのかさっぱり分からない。ケンカをしたのかそっぽを向く男女いるし、お互いに食べさせ合う男女もいる。

その関係がいつまで続くのやら神ではない俺には分からない。

いつか、ポッと出の奴に奪われるかもしれない。いつか、幼馴染に奪われるかもしれない。

運命の赤い糸なんて呼ばれているが、俺の糸はとうの昔に千切(ちぎ)れてしまった。

今にも死にそうな爺さん婆さんが恋しようが、身分違いな男女が恋をしていようが、一方的な恋をしていようが、二次元に恋をしていようが。

俺にもアンタらにも関係無い。

恋は下心であり愛は真心であるなんて言うが、なら恋愛は何というのだろうか。

「まったく恋愛とは難しいもんだな」

恋している奴らは何に恋をする？
顔？性格？金？悲しい生い立ちを持つ奴を救う自分にか？

どこに恋しよーがそれは勝手にやってくれって話だ。

こんな好き勝手やっている俺は誰に愛されるのだろうか。